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骨董品
2020/06/18

三谷吾一【工芸家/石川県/漆芸家/文化功労者】

三谷吾一(みたにごいち)

三谷吾一(本名:伍市)は1919年2月に愛媛県輪島市で生まれました。

10代半ばの頃から沈金師の蕨舞洲に学び、その5年後となる1938年には同じ沈金師で、今までの線彫りのみならず片切彫りや点彫りと言った技法で沈金作品のレベルを高めた前大峰から学んでいます。

 

その後三谷吾一は22歳で独立を果たし、翌年の新文部省美術展覧会において発表した『沈金漆筥』によって初入選。しかし以降は受賞が叶わず、それでも妻の支えもあって創作を続け、1965年の日本現代工芸美術展において『飛翔』が現代工芸大賞読売新聞社賞を獲得。

翌年には日本美術展覧会での『集』が特選北斗賞を獲得し、1970年の改組日本美術展覧会では『翼』が特選北斗賞を受賞すると言った様に、徐々にその才能が高い評価を受けていきます。

 

1977年には輪島塗技術保存会の会員となり、以降も受賞を重ね続け1989年には日本美術展覧会の理事を務めました。

また1994年には輪島塗技術保存会の副会長を務めると同時に、中日文化賞も獲得。

 

そして2017年7月、98歳で息を引き取っています。

 

 

作風

三谷吾一は点彫り沈金と柔和な色彩感覚によって、透明性のあるクリアな作風が特徴と言われています。

また三谷吾一は画家として進む道も考えていた時期もあり、絵画作品と比べて見劣りしない、漆作品を作ろうとしていたようです。その為、色漆の蒔絵技法を自由に、かつ豪快に使い、まるで絵画のような造形感のある思い切ったテイストを編みだすことに成功しました。

 

■沈金とは

沈金は表面に刃物などを使って模様を作り、その削った部分に金・銀箔や粉などをいれる技法のことを指します。“金を沈ませる”ので、沈金なのです。

輪島塗りでお馴染みの技法で、このように絵を入れることを加飾とも言います。

なお点彫りという沈金の技法も、今ではよく輪島塗りなどで使われている技法でもあります。

 

■作風を生み出した背景

作風を編みだすこととなった根元には、昔から正統的な技術を重視する蕨舞洲と、新しい創造を考えていった前大峰から影響を受けたようです。

また絵画的表現を行う為に作品をアピールしながらも様々な創作方法に挑戦し、プラチナ箔やパール粉などと言ったような新しい素材で作ることに成功したりなどして、「三谷沈金」の謂れを獲得するようになりました。

 

 

二人の師匠から学び、新しい工芸品を模索してきた三谷吾一

新しい工芸品を模索する現代工芸美術家協会の常任顧問も務めていた三谷吾一は、常に新しいものを作りたい意志を持っていたようです。

なお2017年12月には三谷吾一作品集が出版されており、それはまさに今までの集大成と言えます。

 

 

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