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2020.08.21
骨董品

大成浩【彫刻家/富山県/中原悌二郎賞】

大成浩(おおなりひろし)

大成浩は1939年富山県魚津市で生まれました。その後20代半ばの頃に、東京芸術大学の大学院彫刻研究科を修了。そして間もなくして、1968年には国画会展で国画賞を獲得しています。翌年の1969年には国画会会員として推薦されたり東京の画廊にて個展を開催。またユーゴスラビア国際彫刻シンポジウムにも関わると言ったように、彫刻家として地位を高めていきました。

30代になると北海道帯広市石彫シンポジウムやオーストリア・ウィーン国際野外彫刻展と言ったように、国内外の数多くのシンポジウムにも参加していくようになります。そして1978年からは、一年間海外で学ばせることで国内の文化発展に臨む制度による、文化庁芸術家在外研修員として、イタリアや西ドイツ、アメリカに訪れ学んでいきました。帰国した1979年にはニューヨークにて、レーバーハウス彫刻展を開催。オーストリアでは1984年に日本人彫刻小品展をすると言ったように海外での展示も行ったほか、40代前半には、富山県立近代美術館で展示を開催するなど、コンスタントに国内外で活躍を続けていきます。

 

やがて1987年には第18回中原悌二郎賞を受賞。またその4年前となるのですが自身が代表を務める、石を使った若手作家のためのアトリエ風を結成。アトリエ風のグループとしての活躍も1990年の東京での展示、2000年の横浜、2018年には再び東京で行うと言ったように、積極的に展示会を開催していきます。なお2013年には自身の生まれ育った家の庭にて、作品を展示した、大成浩石彫美術庭苑を開いています。

 

 

大成浩の作品の特徴は?

大成浩はよく『風』と『蜃気楼』にまつわる作品を手掛けているのが特徴です。共生について考えており、一生をかけてそのテーマを追求していると発言しています。

また彫刻家人生の中で構造や材質、空間や時間と言ったものについても考えており、それらが空間と一つとなるように模索し、それは『実寸彫刻』と言う言葉で表現できるとも述べていたりします。

 

 

大成浩の他の活動部分は?

1976年には、八王子彫刻シンポジウムにアートディレクターとして加わり、以降も関ケ原や安比高原などのシンポジウムに継続的に参加しています。このように長い間様々な活動をしてこられるのは、戦争と言うものを経験したからこそとも言われています。

 

代表作

 

2018年の石空間展9にて発表した『風の標識』。なお“風の標識”シリーズは多くあり、例えば東京の柳沢の池公園にある『風の標識No.42』があったりします。

他にも海の駅蜃気楼の駐車場にある『富山湾の消えない幻像』。第10回八王子彫刻シンポジウム作品である『赤御影石』などがあります。

 

 

各ワード紹介

■東京芸術大学

1949年に東京美術学校と東京音楽学校が元になって設立されました。なお東京美術学校は岡倉天心とアーネスト・フェノロサと言う二人が立ち上げ、指導者としても日本美術の近代化と既存の文化の貴重性について説いていきました。

 

■国際彫刻シンポジウム

近年においても日本のあらゆる場所で開催されており、国内作家の作品発表や、国外作家の招致。ワークショップも開かれています。