出張買取にて和本〈都名所図会〉をお買取しました。
〈都名所図会〉は、江戸時代後期に刊行された京都に関する地誌です。実地踏査に基づき、代表的な名所のみならず隠れた名所や伝説・名物などについても詳細な解説が施されており、現代でいうガイドブックの様な役割を果たしていました。豊富な鳥瞰図や風俗図などの挿絵も高い評価を受け、各種名所図会のパイオニア的存在でした。
本文を京都の俳諧師秋里籬島が著し、図版を大坂の絵師竹原春朝斎が描いた都名所図会は、京都の書林吉野屋から安永九年（1780年）に刊行されました。全6巻の〈都名所図会〉には、今も観光地として人気のある東福寺や清水寺などの社寺や景勝地、名物などが紹介されています。今は失われてしまった建造物も記されており、昔の姿を知る手掛かりにもなるでしょう。挿絵には、旅人や京都に暮らす人々の生活が描かれており、江戸時代と現在を見比べる楽しみもあります。

お買取したこちらの〈都名所図会〉は、6冊揃いとなっており高価買取となりました。