伊東小坡(いとうしょうは)(本名は佐登)は、1877年4月に三重県で生まれました。生家の父は猿田彦神社の宮司を務める宇治土公貞幹と言う人物で、伊東小坡は幼い頃から茶の湯や文学、そして武術のひとつである柔術などを学んでいきます。また10代後半になると、日本画家の磯部百鱗(いそべひゃくりん)より絵を習い、主に歴史人物画を描くようになりました。
この経験をきっかけに画家の道に進むことを決めた伊東小坡は、21歳の時に京都へ移り、森川曽文から教えを受け“文耕”の号を授かります。その後、森川曽文が病気で体調を崩すと、改めて谷口香嶠の弟子となり、この時授かった“小坡”の雅号を後年まで使い続けました。
谷口香嶠のもとでは歴史画を学んだほか、並行して京都市立美術工芸学校の教授などから国語や漢字も学んでいきます。28歳の頃には同じ門下であった伊藤鷺城と結婚し、以降10年の間に3人の娘を出産。母となった傍ら制作活動は続けており、1915年には第9回文部省美術展覧会に出品した美人画『製作の前』が初入選及び三等賞を受賞することとなりました。女性画家だったという事もあってこれをきっかけに注目を集めると、貞明皇后の前で筆を振るうと言った名誉を賜る画家として名を広げていきます。
1920年には帝国美術院展覧会に出品した『夏』が入選。その後は継続して同展に作品を出品し、1928年からは4年連続で出品作が入選したほか、この間には第一回聖徳太子奉賛会総合展にて招待出品作として『やすらいはな』を発表しました。この時期には歴史や物語も交えた女性像を数多く作り上げるようになっています。
また、竹内栖鳳が開く画塾の竹杖会に加わり、一時は、官展に反発的な意識もあった、日本自由画壇のメンバーともなりました。
とは言え次の年には日本自由画壇を抜け出しますが、画家としての活動は積極的に取り組み、40代中頃には制作した作品が日仏交換美術展を経てフランス政府寄贈作品となるなどしています。
晩年まで制作活動を続け、1968年1月、90歳で息を引き取りました。
伊東小坡はこのように一貫して女性を描いている所に特徴があります。
絵を描き始めてすぐの頃は、歴史人物を主に描写していましたが、だんだんと美人画を得意とするようになり、のちに竹杖会会員になってからは柔らかなタッチから、細く先鋭的な筆さばきへと変化しています。
また歴史や物語も交えた女性像を数多く作り上げると共に、色気のある現実味のある女性描写も提示すると言ったように、様々なアプローチを展開していきました。
伊東小坡は女流画家の第一人者である上村松園に続く者として、注目されていくようになりました。
その見方が現代まで続いてるのが、1998年に京都高島屋にて『–松園、小坡、蕉園、成園、緋佐子の美人画–女性画家が描く日本の女性たち展』が開かれたことでも分かります。
伊東小坡の描く作品は歴史や物語のものに限らず、日常シーンにおける女性を妻と言う立場で見た、穏やかな作風として京都画壇において支持されていきました。
代表作
1922年の日仏交換美術展で発表してフランス政府が購入した『琵琶記』(ポンピドゥ・センターが所蔵)。
1898年に制作した日本書紀に出てくる戦う女性達を描いた『烈女形名の妻』(伊藤小坡美術館が所蔵)などもあります。
■磯部百鱗(いそべひゃくりん)
1836年に生まれた日本画家です。伊勢神宮に来た参拝者を案内する御師でもありますが、画家として伊藤小坡の他にも、中村左洲や橋本鳴泉、川口呉川などを育てています。
■森川曽文(もりかわそぶん)
四条派の作品を学び、作品は特に山水花鳥が優れていると言われています。京都府画学校教諭とし務めた他、絵画共進会や内国勧業博覧会、パリ万博に出品するなど、海外にも強くアピールしていきました。
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