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骨董品
2020/10/01

横井小楠【武士/熊本県/書/経歴】

横井小楠の生い立ちは?

横井小楠(よこいしょうなん)18098月に熊本市で生まれました。なお父は肥後藩士の横井太平時直です。横井小楠は幼い頃から藩校の時習館にて学び、20代後半には塾長となり藩の要人に注目されるなど、若い内から順調にキャリアを積んでいきました。その後1839年に藩からの命で東京に遊学すると、当時同じく東京に滞在していた日本各地の幕臣たちと交流。林大学頭の門にて儒学などを学びますが、約2年後に人と争いを起こしたことで、藩から自宅での謹慎を言い渡され帰郷しています。

謹慎が解けたのちは自宅で私塾を開校し、多くの後進を育てると同時に、実学派の象徴的な存在となりました。こういった功績から1858年には福井藩主の松平慶永(春嶽)の藩政顧問として迎えられ、以降も度々福井藩から招致を受けることとなっています。

 

横井小楠が50代になる頃には、江戸幕府の要職に就いていた松平慶永(春嶽)に助言をする形で幕政改革に携わり、坂本龍馬らとも交流しました。のちに1868年に起こった明治維新にて一新された政府においては参与ともなりますが、就任までの間には暗殺未遂に遭っており、就任後もまもなく体調を崩しています。

最期は京都市内にて、事実とは異なる嫌疑をかけられ襲撃を受け、18699月、61歳で殺害されました。

 

 

 

横井小楠の活動の特徴は?

横井小楠は福井藩にて務めていた際に、殖産興業や開国貿易と言ったものによる富国強兵策で福井を指導し、幕府には朝廷と幕府とで政治をやる公武合体を推していた所に特徴があります。

ちなみに、名前の小楠(しょうなん)は号であり、そのほかいくつかの名で知られています。“横井小楠”のほか呼ばれる名としては、“横井時存”、また北条時行の子孫を称していたため“平時存”、“平四郎”などがそれにあたります。

 

 

 

横井小楠の他の評価部分は?

横井小楠は林大学頭で学んだり、四時軒の立ち上げの際に多くの歴史に名を残す人物と出会っています。

林大学頭では水戸藩士で尊王攘夷を掲げた藤田東湖や、日本と対立するロシアとの間を受け持ち、1853年に日露和親条約を結ぶように実現させた川路聖謨。

また四時軒には「五か条の御誓文」を記した由利公正や、熊本出身で大日本帝国憲法の中心人物である井上毅は訪れています。(なお四時軒は現在、横井小楠記念館として機能しています。)

ちなみに横井小楠は酒好きでもありますがそれで酒失事件と称される、帰国と同時に留学も取り消される事態を引き起こしており周囲は心配していたと言う記述もあります。

 

著書について

 

富国強兵策については『国是三論』内に詳しく記しました。

また一方で、漢詩のひとつ、七言絶句を残しているとも言われています。

 

 

 

各ワード紹介

■富国強兵

明治政府が海外にも対抗できるよう国の強化を薦めたもので、殖産興業や西洋文化の導入などによって近代化を進めていきました。

 

■酒失事件

酒失事件では横井小楠が酒の席で奇妙な詩を発表しさらに他藩士と争い事を起こしました。

その事で熊本に帰るように言われ時習館にも戻れず、長い謹慎処分を与えられます。しかし朱子学を一から学ぶなど自身の強化期間と捉え、団体も立ち上げるなどしていきました。

 

 

 

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