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掛け軸・絵画
2020/07/02

伊東深水【日本画家/浮世絵師/版画/東京都】

伊東深水(いとうしんすい)

伊東深水(本名:一)は、1898年2月に東京の深川西森下町で生まれました。

10代になった頃から東京印刷活版部にて務め、その3年後となる1911年に意匠部へ入っています。また同年に情感性豊かな美人画や肖像画などで知られている、美人画としては上村松園と並ぶ鏑木清方に弟子入りを果たしました。なお写実性がありながらも装飾性豊かな速水御舟の作品に惹かれ、画家になる事を決意したと言う背景も伊東深水にはあります。

伊東深水は鏑木清方に弟子入りしたのち、同時に実業補習夜学校に入りますが、並行して仕事もこなしていたため、絵を描くことに専念するのは夜中、と言った日常を続けていました。その後1912年の第12回巽画会展にて『のどか』が初入選を獲得。以降も受賞を続けますが、3年後に第9回文部省美術展覧会に出した『十六の女』などでは幼い女性を描きました。また1926年までの間は新聞雑誌に提供するための絵の製作に集中し、作品出典は一時的に止めますが新版画運動に加わっています。翌年には深水画塾を立ち上げ及び指導者のトップとして務め、1934年には児玉希望や山口蓬春らと共に人物画の地位を高める為に青々会を結成。

40代半ばの頃には戦争経験を挟み、1946年に第2回日本美術展覧会に審査員として『銀河祭り』を発表したり、2年後には『鏡』で第4回日本芸術院賞を獲得と言ったように展覧会での活躍が目立っています。そして1958年には日本芸術院会員や日本美術展覧会の理事としても務め、1972年、74歳で息を引き取りました。

 

 

作風

伊東深水は浮世絵の系譜を受け継ぎながら、現代性の高い美人画で有名です。なお伊東深水の師匠となる鏑木清方は、浮世絵師の水野年方から学んでいます。伊東深水の確かな表現力がありながらも艷やかで、柔和さとシャープなタッチが混在する美人画は、大衆に広く人気を獲得しました。また着物姿の女性の作品が多く目立ちますが、女学生達を描いた1952年発表の『夢多き頃』もあり、服装の比較で時代の移り変わりが感じられやすいかと思います。

ちなみに女優の朝丘雪路は伊東深水の娘であり、『夢多き頃』は彼女が学生である頃の姿を描いた作品です。作中の後ろを向いている女性がそれに該当します。

 

 

時代に合った活動を行った伊東深水

伊東深水は他に女優として活躍した川田芳子や岡島艶子を描いた『おしろい』を発表しています。また青々会を立ち上げたのは、1923年に起こった関東大震災の影響で美人画が売れなくなったと言う背景もあり、また、日本美術院展覧会の場などで伊東深水の作品が激しく非難された時期もありました。

これらの事からして、伊東深水はどのようにして画家として活動できるのかと模索していたことも考えられます。彼の父親が事業に失敗し生活が苦しくなった経験も経ているので、それを元に自身の活動を考えていたのではとも想像できます。

 

 

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