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掛け軸・絵画
2020/06/11

児玉果亭【日本画家/長野県/文人画家】

児玉果亭(こだまかてい)

児玉果亭(本名:道弘)は1841年1月に長野県で生まれます。家は温泉宿と強い繋がりを持つ雑貨商と言う家庭環境もあり、郷土愛が強く、また幼少期から絵や文について強い興味を持っていました。

その後10代半ばになった頃には飯山藩士であり、沈南蘋風の花鳥画を得意とした佐久間雲窓から絵について教わり、興隆寺にて禅や漢学、経学について学んだ後に、京都を代表する日本画家の田能村直人から南画について教わるようになります。なお興隆寺での師匠となる畔上楳仙とは強い結び付きがあり、田能村直人の下で学んだのは畔上楳仙の助言と言った背景もあります。

 

やがて1882年には、第一回内国絵画共進会にて作品を出品し褒状を獲得。これを機にその名を全国に広めたと共に、巴里府日本美術縦覧会でも活躍を見せたり、1886年の第一回東洋絵画共進会では『葡萄に栗鼠図』が銀牌を獲得。また同作は宮内省の御用品と言う名誉となりました。1906年に田能村直人が30年ぶりに児玉果亭の下に訪れるなど、画業以外でも充実した日々を過ごし、享年は74歳と言われています。

他の代表作には、玄峰院所蔵に所蔵された『維摩居士』や、最乗寺宝物庫で保管された『芭蕉之図』などがあります。

 

 

作風

児玉果亭は繊細に描く南画の山水画が知られています。

 

■南画について

南画とは中国の元・明・清時代の南宗画の略称でもあり、また日本では江戸時代後半に取り入れられた作風です。文人画とも呼ばれていますが、文人画は職業画家ではない文人達が描いたものを指し、対して南画は職業画家による作品をそう呼びます。北宗画はシャープな構図や線であるのに対し、南宗画は詩的で柔和なタッチに特徴があると言われています。

 

■山水画

山や川、渓谷と言った自然をテーマに扱っていますが、単なる風景画ではなく、高尚で優美な雰囲気で描くことを求められた絵画です。その為には儒教的な深い教養が必要で、児玉果亭が描けるのは興隆寺にて修行を積んできた経験ならではと言えます。

中国絵画でも重要な位置付けであり、唐時代から始まっています。

 

 

充実した生き方を送った児玉果亭

児玉果亭は多趣味であり音楽や俳句も愛し、同じく日本画家の長井雲坪とよく腕を競っていたようです。その他に菊池契月や丸山晩霞と言った後進の指導も務めてきた辺りを鑑みると、児玉果亭は人から愛されてきた画家のように感じます。

そして本業においても精力的に活動するなど、それらは人間が理想とする生き方の一つではないでしょうか。

 

 

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