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掛け軸・絵画
2020/05/01

鈴木百年【日本画家】

鈴木百年(すずきひゃくねん)

 

 

鈴木百年(本名:世壽)は、1825年5月に

 

京都で生まれました。

 

なお父は天文や風水、易術について深く学んだ

 

易学者の鈴木星海として知られています。

 

幼少期から絵の才能に秀でており

 

装飾的なものから

 

四条派の穏やかな作風へと変わった岸連山や

 

山水や花鳥、人物画が有名で代表作に

 

『神馬図』がある大西椿年から学び、

 

円山派について知るようになります。

 

とは言え鈴木百年自身は

 

人から教わるのを

 

あまり良しとしていなかった為に

 

独学の部分の方が大きく、

 

独創性を幼少期から身に着けています。

 

また与謝蕪村や日根野対山、松村呉春と言った

 

先の時代で活躍した画家達について研究をする

 

と言った一面もあります。

 

やがて1880年に京都府画学校が開かれると同時に

 

北宗科の教師として務めました。

 

またその2年後には

 

第1回内国絵画共進会の場で銅印、

 

続いて第2回展では銀賞を獲得。

 

60代の頃には皇居造営の為の

 

杉戸と天井画制作に加わるなど、

 

画家としても大きく活躍しています。

 

そして1891年、64歳で息を引き取りました。

 

代表作としては『風月三昆図』や

 

『老松龍吟図』などがあります。

 

 

 

内国絵画共進会について

 

1882年と1884年に起こった政府による展覧会です。

 

明治維新から文明の革新に勤めてきたものの

 

一方で文化の保存を大切にしていなかった

 

と言う風に振り返り、伝統保存の為に創られました。

 

 

 

作風

 

鈴木百年は独学による部分が大きい所から

 

独自性が高いと言われています。

 

山水と人物図を得意とし、

 

微細なまでの描写と大胆なタッチ

 

一画面に収められたその作風は、

 

後世の画壇の場でも影響を与える事となります。

 

また父から漢字について教わっていた事も影響し

 

書画作品も多く残し、

 

それにも奥行きが非常にある内容として

 

価値のある作品群となっています。

 

なお鈴木百年自身の性格がとても柔和であり

 

その穏やかさが作品に丹念な雰囲気を

 

醸し出しているとも言われています。

 

その為、鈴木派と言う一大新派が

 

生まれるようになりました。

 

 

 

様々な形で受け継がれるようになった鈴木百年の教え

 

鈴木百年は数多くの後進の指導に務め

 

後輩には花鳥画に優れ

 

帝室技芸員となった今尾景年。

 

民友社内で新聞挿絵で新しい表現の形を定義付け

 

日清戦争が起こった際は画報記者として

 

活躍した久保田米僊などがいます。

 

なお息子として鈴木松年がおり

 

彼自身も鈴木百年から教えを受け山水や花鳥、

 

人物画で名を馳せ大胆な作風で

 

「今蕭白」と呼ばれています。

 

鈴木百年の教えは様々な形で

 

受け継がれていったと言えます。

 

 

 

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