永楽善五郎【陶芸家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

永楽善五郎(えいらくぜんごろう)

17代目の永楽善五郎(本名:紘一)は、1944年に

千家十職の一家として生まれました。

なお父は16代目となる永樂即全です。

永楽善五郎は1966年に東京藝術大学日本画科を出て

翌年に大学院工芸科陶芸を修了。

そして早くも2年後には、第8回日本伝統工芸展で

奨励賞を獲得しました。

また、同じ年に東京藝術大学の修了時期の作品である

『吹墨色絵雪華に鴛鴦文皿』が買い上げになると

早くからその才能を発揮していきます。

日本伝統工芸展での出展は以降も行い

1991年にはドイツのケルンで重要無形文化財保持者で

鴛鴦文様に定評のある京友禅家の羽田登喜男と共に

「京都工芸二人展」を開催。

その後も国際的な場で発表を行い、

1997年には国際色絵コンペティション`97 九谷で

金賞を獲得しました。

これらの功績も認められ、

翌年の1998年には17代目として襲名しています。

1999年以降からは襲名展含む個展を行い

2009年には京都市文化功労者表彰を

受けるなどして今に至ります。

作風

12代目の永楽和全と同様に赤絵や染付。

また交趾や乾山焼、金襴手

(磁器に赤絵や色絵に金彩を入れたものです)

なども行い、鮮やかで華やかさのある作品は

海外からも注目されています。

ちなみに永楽和全は、金襴手や交趾と言ったように

中国から生まれたものを得意としている

と言われています。

千家十職について

永楽は京焼の千家流茶道の

千家十職の一つでもあります。

千家十職とは千家の茶道具を作る

10の家系の事を指し、陶工の楽家や塗師の中村家

と言ったように、それぞれ役割を持ちます。

永楽においては茶の湯で陶土を作る焼物師であり

初代から9代は西村姓で、

10代からは永楽姓となっています。

また作る種類も変わり、

西村姓では土風炉を作っていたのに対し

永楽姓からは土風炉に加え

茶陶の制作も行っています。

歴史の詳細

初代の永楽となる西村宗禅は、

室町時代から春日大社の供御器を作り

活動終盤時期に茶人の武野紹鴎をきっかけに

土風炉を作り行った事が、家系の始まりとなります。

そこから代を継いで

土風炉で名を馳せるようになっていきますが、

十代目の永樂了全の時期となる1788年に

天明の大火が起こり

三代目となる西村宗全の名が使われた

宗全印を失うこととなりました。

しかし三千家の支援により

了全印が使えるようになり、

千家流との深いつながりが生まれます。

千家十職の一家として生まれ続く作品

伝統を持つ家系の作品が

現在でも生まれている事は貴重だと思います。

何かしらの折に、ぜひその素晴らしさに

触れてみてはいかがでしょうか。