片多徳郎【洋画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

片多徳郎(かただとくろう)

片多徳郎は1889年6月に

大分県西国東で生まれました。

入学していた中学校にて

図画教師から教わっていた関係もあり

若い頃から絵を描くことを得意としていた

と言われています。

また、卒業後は小学校にて

図画教師として働いていました。

しかし本格的に絵を学ぶため

1907年には東京美術学校西洋画科へ入学。

そこでは日本近代洋画の父と呼ばれる黒田清輝や

黒田清輝の開いた天真道場で学んだ

岡田三郎助から指導を受けていきます。

また在学中の1909年には、

第3回文部省美術展覧会において

『夜の自画像』が初入選となり

以降も入選を重ね続けました。

なお1917年には文部省美術展覧会において

『伎女舞踏の図』が特選となり、翌年には

同じ文展（文部省美術展覧会の略）の場で出品した

『花下竹人』も特選に選ばれ、

連続特選となっています。

そして片多徳郎はこれらの数多くの受賞歴により

1919年の第1回帝国美術院展覧会から

監査外出品資格者へとなりました。

同年には暗い色彩感覚から

明瞭な色合いの日本的洋画の画風を作り上げた

牧野虎雄達と共に新光洋画会を設立。

一方で明るい画業の裏では

30代中頃から壊滅的な生活を送っており

1934年4月に自ら命を絶つこととなっています。

作風

片多徳郎の作風は3つに分類できる

と言われています。

一つ目は東京美術学校西洋画科に

在学していた辺りの時期です。

実際の外の景色の光を作品に取り込む

フランスの外光派の影響を強く受け継い

だ黒田清輝から学んだことで

印象派的な明瞭な色彩感覚の作品が見られます。

二つ目が日本的な要素を目指した作風で、

日本で古くから好まれている色合いが使われている

と言われています。

なお挙げた一つ目とはまるで正反対に

黒い色合いで重厚感もあると指摘されています。

そして三つ目は密度を詰めた暗い色彩感覚の

写実的な作風の時期となっています。

なおそう言った作風の変化は、

片多徳郎が関心を持った南画と

ポール・セザンヌに影響を受けたことから

生じたと考えられています。

関連用語の細かい解説

・南画

中国で元や明、清の時代に展開された絵画に

日本が影響を受けたものです。

それらは南宗画と言われ、日本に伝わった際に

南宗画の言葉が略され南画となっています。

・ポール・セザンヌ

近代絵画の父と呼ばれています。

平面的ながらも様々なアプローチで独自の立体感

及び雰囲気が作品からあると言われています。

アルコールが作品制作に結び付くと言う片多徳郎

片多徳郎は段々アルコールを摂取する量が

多くなったと言われています。

アルコール中毒状態にまで陥り、

入退院を頻繁に行い幻覚まで見えていたようです。

多量にアルコールを摂取する理由には

「飲まないと出来の悪い絵になるが、

逆に飲むと完成度の高い絵になる」

と本人が語っていたそうです。

自らの命込みで絵画に捧げた人生とも言えますし

過剰な飲酒は相当なプレッシャーも

あっての事かもしれません。