松樹路人(まつきろじん)
松樹路人は1927年1月に北海道で生まれました。
なお幼い頃は父の仕事の影響で
道内の様々な場所を転々とする生活が続いた
と言われています。
その後家族で上京すると、
17歳の時に東京美術学校に入り
人物画や風景画を「梅原様式」と呼ばれる
大胆な色彩感覚で描いた梅原龍三郎から学んでいます。
そして約5年後に同校を出ると
その翌年の独立美術協会展に出品した作品は
初入選となりました。
また27歳の時には独立展独立賞を獲得し
1960年には同会の会員となっています。
やがて40代の頃になると、昭和会展で昭和会賞を受賞。
翌年には武蔵野美術大学の教授及び名誉教授
のちには
札幌武蔵野美術学院名誉学院長も務めました。
そのほか第16回安井賞展において
佳作賞となるなど様々な賞を受賞し
1991年には芸術選奨文部大臣賞を獲得。
1996年12月には武蔵野美術大学を定年退職した事による
「武蔵野美術大学教授退任記念展 松樹路人展」
を開催しています。
そして2017年12月、90歳で息を引き取りました。
作風
松樹路人は叙情感と幻想的な雰囲気のある
作風として知られています。
またシュルレアリスムや幻視芸術、
幻想絵画にも分類されています。
なお画家としての活動初期は苦難の道に立たされ
自身の決着のために
自ら作品を焼却した事もあったそうです。
ただその時の作品群は売却で焼失していない物もあり
それらは褐色の多い、抑えた色合いと重厚なタッチの
「赤の時代」と呼ばれています。
ちなみに活動初期の作品は社会的で
構成的でもあると言われています。
やがて松樹路人の作品は
「赤の時代」を経てそこから
「白の時代」と呼ばれる作風となり、
猫の作品群と乳白色の色彩感覚で知られている
藤田嗣治から影響を受けたと言うそれらは
同じように乳白色が多く、そして光沢感もあります。
なおそこから画家として転機を迎えるようになります。
・「オホーツクの山漬け」について
松樹路人は2013年に開かれた第35回十果会展において
『オホーツクの山漬け』と言う作品を発表しています。
それは少年時代に強く心に残った
オホーツクの風景を描いており、
「自然体で描けた部分がある」と言うような
趣旨の発言を残しています。
活動終盤は内面を見つめた作品を発表
松樹路人について振り返ると
とても北海道に対して愛着が強い事が感じられます。
その事が武蔵野美術大学や札幌武蔵野美術学院の
教授を務める理由にもなったと思われます。
2000年代になると自身の内面を見つめた
作品群を中心に発表するようになり、
つい最近まで生きた松樹路人の感じてきた事が
親近感を以って伝わるのかもしれません。