松岡寿【洋画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

松岡寿(まつおかひさし)

松岡寿は1862年2月に岡山県で生まれました。

なお父は岡山藩士の松岡隣であり

洋学研究を率先して行っていた事でも

知られています。

松岡寿は10代になってすぐの頃から

川上冬崖の開く聴香読画館にて油彩画について学び

1876年には開校された工部美術学校にて、

ロマン主義的な作風で知られる

アントニオ・フォンタネージから、

図学について教えを受けました。

その後10代半ば頃になると工部美術学校を辞めますが

18歳で留学し、国立ローマ美術学校にて

絵画の指導を受けていきます。

やがて国立ローマ美術学校を出ると

今度はフランスへ一年ほど渡り

日本の宮内省からの依頼を受け、

ヴェルサイユ宮殿画廊にある

歴史戦争画の写しに励みました。

約8年間の滞在を終えると1888年に日本に帰り

明治美術会の設立に参加。

その他にも様々な学校で後進の指導に励み

また文部省美術展覧会の審査員も務めています。

手がけた作品としては『父の像』や『凱旋門』。

『伊太利ベルサリエーレの歩哨』などがあります。

作風

日本の美術界に大きく貢献したことで知られている

松岡寿ですが、留学前から

作品を多く手がけています。

その頃の作品としては

『伊太利ベルサリエーレの歩哨』や

『西班牙闘牛者』などがあります。

また留学前にはバルビゾン派的な自然主義に

影響を受けた作品を手がけ、帰国してからは

イタリア的な安定した作風を展開しています。

関連用語の細かい解説

・バルビゾン派

19世紀頃に生まれたテオドール・ルソーや

ジャン＝フランソワ・ミレーなどの

バルビゾン村の風景を描いた作家グループを指します。

次々とバルビゾン村に移り住む作家達が集まり

同じようにバルビゾン村の風景を描き

一大グループとして成長していきました。

・アントニオ・フォンタネージ

1818年2月に生まれたイタリアの画家です。

パリ万博にてバルビゾン派を知り、

自身の作風に強く影響を受けました。

1876年に西洋画法に力を入れていた

明治政府から呼ばれ、日本にて工部美術学校の

立ち上げ時のメンバーとして加わっています。

1878年に病気の関係でイタリアへ帰っています。

人の出会いが日本の美術界への貢献につながった松岡寿

松岡寿は1921年に開校された

東京高等工芸学校の初代校長を務めました。

そこでは日本のデザイン界に

多く貢献したと言われています。

アントニオ・フォンタネージによって

図学を学んだ経験がそこで活かされているのは

容易に分かることですし

松岡寿が日本の美術界に大きく貢献したのは

やはり父の松岡隣や

アントニオ・フォンタネージなど、

人との出会いによるものである事が分かります。