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掛け軸・絵画
2019/11/07

渡邉武夫【洋画家】

渡邉武夫(わたなべたけお)

 

渡邉武夫は19167月に東京都墨田区で生まれます。

 

幼少期に埼玉県浦和市に移り住み、

 

1929年に埼玉県立浦和中学校へ入学。

 

その際に美術を教えていた福宿光雄の影響で

 

洋画家としての道を意識し始めました。

 

その後1933年には外光派の黒田清輝の下で学び

 

また黒田清輝の弟子でもある

 

小林萬吾が開く同舟舎洋画研究所内で

 

デッサンについて深く追究します。

 

翌年、東京美術学校油画科予科に入学し

 

そこでは日本水彩画会を設立した内の一人の南薫造。

 

裸婦で知られている寺内萬治郎から学びました。

 

 

やがて1938年には第25回光風会展において

 

『長老坐像』と『グハルの午後』。

 

『停車場の一隅』がそれぞれF氏賞を受賞。

 

2回新文部省美術展覧会においては

 

『騎馬像のある部屋』が初入選となります。

 

その後も光風会や新文部省美術展覧会において

 

受賞を重ね続け、1955年にはヨーロッパへ渡り

 

グラン・ショミエールにて学びました。

 

それまでの作品は人物画が目立っていたのに対して

 

ヨーロッパへ渡ってからは風景画が多くなり、

 

その時代の代表作の一つとしては

 

1985年に日本美術展覧会で日本芸術院賞を獲得した

 

『シャンパーニュの丘』があります。

 

2003年9月、87歳でこの世を去りました。

 

 

 

作風

 

渡邉武夫は寺内萬治郎の影響によって

 

人物画を多く描き、

 

その才能の高さに注目されていました。

 

また寺内萬治郎は1944年には

 

里見明正と渡邉武夫共に「武蔵野会」を

 

創っていますが、その事もあってか

 

武蔵野を描いた風景画も手掛けています。

 

またその武蔵野の風景画は湿っぽく、

 

かつ温かな雰囲気と冷たさが感じられる

 

と言われています。

 

ところが1955年頃にヨーロッパに渡ってからは

 

近代化の影響がそれほど見られない

 

フランスの景色に惹かれ、その作品の数を

 

写実的な描写力を以て増やしていきます。

 

 

 

浦和画家の一人、渡邉武夫

 

渡邉武夫の作品は亡くなった後となる2005年に

 

埼玉県立近代美術館で開かれた

 

「渡邉武夫の世界武蔵野の風・南仏の光」内で

 

展示されました。

 

また現在でも埼玉の画廊が作品を取り扱っているなど

 

ヨーロッパの景色に傾向した渡邉武夫ですが

 

浦和画家の一人として認められています。

 

 

 

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