西出大三(にしでだいぞう)
截金(きりかね)師の西出大三は、1913年に
石川県江沼群橋立村に生まれました。
やがて19歳で東京美術学校の彫刻科に入学し
木彫り、古美術品の修理を学んでいます。
西出はその中でも仏像に施されている
截金に興味を抱き、研究に没頭しました。
同校を卒業後、1938年に第21回二科展に
『裸婦』を出品して入選を果たします。
1955年、42歳の時には国の
「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に截金が選ばれ、
保持者として認定されました。
そして、1958年には日本伝統工芸展に
『截金彩色飾合子富士』を出品。
技術賞を受賞し、翌年に日本工芸会正会員になります。
続いて日本工芸会理事・第六部会人形部会長に
就任しました。
さらに1978年に紫綬褒章、1984年に勲四等瑞宝章を受賞し
1985年、72歳で重要無形文化財保持者(人間国宝)
「截金」に認定されています。
西出大三の作品の特徴と技法
西出大三は、截金家でしたが
元々彫刻家を志していたため
その造形技術を駆使して雀、鶏、牛、馬、犬などの
動物をモチーフにして彫刻し
截金を施し作品を仕上げました。
截金とは金や銀、銅、錫などの箔や薄板を
線状、または細く切って貼ることにより
様々な文様を作り上げる技法です。
また、西出大三は、日本画などに用いられる
岩絵具で彩色し、砂子、野毛などの金箔技法を用いた
繊細で華麗な作品を作りました。
西出大三の作品にはこのような木彫りに
彩色、截金を施した作品が多く、
その華麗な截金と多彩な彩色の岩絵具の
優しい風合いが溶け合う、
優美な作品が特徴的です。
西出大三の評価される所以
西出大三は、平安時代に中国から
仏教とともに伝えられ、
仏像画の装飾として発展した技法である截金を
独力で復活させました。
その截金技法では、様々な曲線や文様を描く
技術や表現が生まれましたが
後世にはその技法は継承されず、
昭和の時代に初めて西出大三が
その技術を再現させました。
また、その截金だけでなく七宝、ガラスなど
それまでに注目されていなかった諸分野の発展にも
尽力しました。
香合や合子、置物、盤など古典的な器物や
木彫の置物、絵画などにも精緻な截金装飾を施し
伝統技術の継承、発展向上に寄与し
高い評価を得ています。