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骨董品
2019/07/05

岡本太郎【洋画家】

岡本太郎(おかもとたろう)

 

岡本太郎は1911年、神奈川県で生まれました。

 

父は『探訪画趣』が評判を呼び、

 

世相風俗漫画家として活躍した岡本一平。

 

母は歌人でもあり小説家でもある

 

『愛のなやみ』や『生々流転』で知られている

 

岡本かの子として知られています。

 

岡本太郎は幼い頃から作品を描き始め

 

14歳の頃にはボートレースの試合に敗れた悔しさを描いた

 

と言う『敗惨の歎き』を制作しました。

 

やがて慶應義塾普通部を卒業すると同時に

 

東京美術学校西洋画科へ入学。

 

1930年にはパリへ家族と共に渡り、

 

両親は仕事でロンドンへと行きますが

 

岡本太郎は留学の為パリに滞在することを決めます。

 

そして留学中は哲学や社会学、文化人類学や

 

民俗学について学びました。

 

29歳の時には第2次世界大戦の影響で帰国し

 

翌年に二科会へ入会。

 

また、第2次世界大戦についての対抗意識を記した

 

『復興期の精神』や『錯乱の論理』

 

などが知られている花田清輝。

 

思想犯として捕まえられた頃の記憶を綴った

 

『真空地帯』が有名な、小説家の野間宏達と共に

 

前衛芸術を促す運動を行う「夜の会」

 

を結成しています。

 

そのほか縄文土器など日本の伝統文化や

 

風俗についても研究し、絵画のみならず

 

彫刻や舞台も手掛けるなど、その作品は多岐に渡ります。

 

そして1970年、59歳の時に

 

大阪での万国博覧会のためのモニュメント

 

『太陽の塔』を発表。

 

やがて85歳でこの世を去りました。

 

 

 

■奇抜な作品である理由

 

岡本太郎の作品は原色を多めに使った

 

奇抜なデザインである事が知られています。

 

絵画作品としても1936年発表の『痛ましき腕』や

 

1947年公開の『夜』。

 

1950年の『森の掟』など、様々な作品がありますが

 

どれも画面のこちら側に飛び出してきそうな

 

迫力があります。

 

また、岡本の絵画作品は一つの対象物を

 

多角的な目線で描いた、キュビスムの一つとしても

 

捉えられています。

 

とは言え岡本自身の書いた書籍

 

『今日の芸術―時代を創造するものは誰か』にて、

 

今日を生きる喜びを爆発として表現する

 

と言う旨が書かれているので、こう言った作品は

 

その今日を生きるを表現した故の結果と考えられます。

 

 

 

■写真作品も発表

 

岡本太郎は写真作品も発表しています。

 

こちらは奇抜な絵画や立体物とは違い

 

一定のアングルや露出などで

 

対象物を忠実に撮る事を重視しています。

 

氏はパリ留学中に写真集『夜のパリ』が知られている

 

詩人や彫刻家でもあるブラッサイや、

 

戦場写真家として大成したロバート・キャパから

 

教えを受けています。

 

なおそう言った経験を経て「写真は記録性を重視する」

 

と言う発言の旨を残しています。

 

 

 

■現在にも強く訴えかける岡本太郎のメッセージ

 

岡本太郎は1956年に

 

『日本の伝統』と言う書籍を発表しています。

 

そこでは自身の関心のある日本の伝統文化について

 

詳しく触れながら、独自の考えも展開しました。

 

その考えは読者間の指摘だと

 

『日本は今までの文化に捕らわれている』と

 

強く批判する内容だとも言われています。

 

このように岡本太郎の絵画や

 

オブジェをはじめとした作品は

 

奇抜で、生きる喜びを表現したものであるだけではなく

 

メッセージ性も感じられます。

 

中でも『太陽の塔』は岡本太郎の集大成でもあります。

 

『太陽の塔』は背中にあったのですが

 

現在も行方不明となっているものも含めて、

 

全部で4つの顔があります。

 

その4つの顔で古い文化を肯定しながらも

 

資本主義と科学推進でこのまま日本は息苦しくなる

 

と言うメッセージ性を表現しているようです。

 

日本文化や写真撮影を通して対象物を真剣に見つめ

 

そしてそれを踏まえた上での今に向けてのメッセージは

 

現在を生きる私達にも強く訴えかけています。

 

 

 

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