六角紫水は1867年3月に
広島県にある能美島で生まれました。
また1893年の東京美術学校漆工科の、
最初の卒業生としても知られています。
卒業すると同時に助教授として
後進の指導に務めますが、1904年からは
岡倉天心達と共に国内やアメリカに渡り
ボストン美術館東洋部やメトロポリタン美術館で、
東洋の美術品の管理及び修復の仕事をしていました。
やがて4年後には日本に帰り、アルマイト漆器や
楽浪漆器と言った漆器について深く学び、
また白漆の発明や色漆の改良も行っています。
さらに1927年には帝展審査員、
1941年には帝国芸術院会員となって
漆芸家としての存在感を強め、
1950年4月にこの世を去りました。
代表作としては『抹金鏤蓬莱山厨子棚』や
『抹金鏤蓬莱山厨子棚』などがあります。
東洋美術の始まりは、中国や韓国からなる
東アジアからと言われています。
仏教観や文化は貿易路の
シルクロード等を通して広がり、
アジア中に影響を与えました。
また東洋美術が多くの西洋人をも魅了している事から
修復や管理は必然的とも言えます。
西洋の文化を大きく取り入れた
明治時代の日本において、
東洋の文化を国内外に伝えるのに
大きく貢献した人物です。
文部省美術展覧会の審査員や日本画改革運動。
ボストン美術館の東洋部長を務めるなど
様々な活動をしてきました。
漆の木から出てきた乳白色の樹液を熱する事で
透明度を高くした透き漆に、
主に二酸化チタニウムの顔料を混ぜて
精製したものです。
漆自体は江戸時代に中国から持ち込んできた
漆の木から採取しており、今でも中国産の漆を
多く使用しています。
なお白漆は様々な顔料を混ぜて他の色も作る
色漆の一種ですが、黒漆は鉄を混ぜています。
漆塗りをしている器で、こちらも東洋美術を
代表するものとして数えられます。
漆を塗る事で強度は高まりますが、
高級品なら美術工芸用として多く塗り
日用品として使う場合は塗る回数は
美術工芸用と比べると少なくなります。
ちなみにアルマイトとは、アルミニウムに
その表面に酸素処理を施したものです。
六角紫水は東洋美術に関わる様々な事を深く研究し
それを現代の私達に伝えています。
東洋美術を実際に目にした時は、
六角紫水について思いを馳せてみても
良いのかもしれません。
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