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骨董品
2019/05/17

森田茂【文化勲章/洋画】

森田茂(もりたしげる)

 

森田茂は19073月に茨城県真壁郡で生まれました。

 

18歳の時に茨城県師範学校を卒業すると、

 

真壁郡大田尋常高等小学校の教師となります。

 

在職中に絵を描き続けながらも生徒に教え、

 

1926年に第3回白牙会展において出展した作品

 

『静物』で初入選を果たしました。

 

その5年後の1931年、『緑衣』にて

 

1回帝国美術院賞を受賞している熊岡美彦が創設した、

 

熊岡洋画研究所に入り

 

洋画家としての技術を獲得していきます。

 

その後、第1回東光会美術展覧会において出品した

 

『白衣』が入選。

 

翌年には『神楽獅子の親子』が

 

帝国美術院展に初入選をするなど、

 

受賞を重ねていきました。

 

やがて1938年には東光会会員となり、1993年、

 

86歳の時には文化勲章を受章しています。

 

 

 

特徴

 

森田茂は絵の具をキャンバスに

 

強くベタッと付けたような油彩タッチを通して、

 

様々なテーマで作品を描いています。

 

森田が27歳の時に

 

15回帝国美術院展覧会で初入選となった

 

『神楽獅子の親子』や、39歳の時の

 

2回日本美術展覧会で入選した『阿波人形』など

 

初期の作品は人物、

 

または人形をテーマに多く描きました。

 

また1962年になると、エジプトやフランスなど

 

海外に多く旅をするようになり、

 

この経験がそのまま作品に影響されています。

 

この頃の風景画には1963年の第29回東光会展に出した

 

『ロバに乗るエヂプト人』や、1914年の

 

8回社団法人日本美術展覧会に出した

 

『バンコックの僧達』などがあります。

 

そして1966年に山形県で見た伝統芸能・黒川能に

 

強く感銘を受け、以後、森田は一生を懸けて

 

黒川能をモチーフにした作品を発表しました。

 

 

 

■油彩について

 

油絵とも言われます。

 

顔料を油で混ぜた油絵具によって描きます。

 

また油彩は景色をそのまま描写するのではなく

 

見た人の気持ちが入り込んだり、

 

時間によって変わる景色の様子を塗り重ねるうちに

 

表現したりするものと言われています。

 

黒川能について

 

山形県鶴岡市の春日神社で披露される、

 

国指定重要無形民俗文化財です。

 

猿楽能からの派生で、現在では希少となった

 

演目及び演式が行われます。

 

100歳記念展が行われた森田茂

 

森田茂は2007年に茨城県筑西市にあるしもだて美術館と

 

茨城県水戸市にある茨城県近代美術館にて、

 

100歳記念展を開きました。

 

森田はその2年後に残念ながら亡くなりますが、

 

作品のその力強いタッチは

 

多くの若い人に力を与えたに違いありません。

 

 

 

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