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骨董品
2018/11/15

勝城蒼鳳【人間国宝/竹工芸】

勝城蒼鳳(かつしろそうほう)

 

勝城蒼鳳は19342月に栃木県に生まれます。

 

15歳のときに中学を卒業すると、

 

父に勧められて竹細工師の菊地義伊氏の元で

 

学び始めました。

 

6年後となる1955年には独立しますが

 

その後も斎藤文石や八木澤啓造から教えを受け

 

自身の技術の向上に努力を欠かしませんでした。

 

そして1968年より、八木澤啓造から

 

「蒼鳳」の号を授かっています。

 

そして同年、日本伝統工芸展に初入選し

 

1983年には波千鳥編盛籠渓流により

 

日本伝統工芸展東京都知事賞を受賞しました。

 

以上のような功績が認められ、

 

2005年、71歳のときに人間国宝に認定されています。

 

 

 

特徴

 

勝城蒼鳳の作品には、生まれ育った

 

栃木県那須塩原市の自然観が根底にあります。

 

氏の作品制作は竹を地元でとる事から始まり

 

調整や編組、染付や漆塗りと言った作業を経て

 

作品が形となっていきます。

 

また勝城蒼鳳の作品は普段使うものから美術品へと

 

竹工芸の価値観の移ろいを表現していると言われており

 

日用品からオブジェまで

 

どの作品も自然に対しての尊敬を込めています。

 

さらに、同じ作品を再度作ることを良しとせず

 

半年から一年ほどの歳月をかけて

 

一つの物を作り上げています。

 

 

 

技法

 

竹工芸の豊かな作品群は、

 

組み合わさって作り上げる編組物や

 

円筒形を作る丸竹物と言った

 

多種多様な技法によって生み出されています。

 

勝城蒼鳳の場合は、柔軟さと強固さが

 

一体となった作品として仕上げられます。

 

■調整

 

竹ごとによって違う固さや種類。

 

季節なども考慮しながら、焼コテや胴乱と言った

 

複数の道具を使って調整していきます。

 

■編組

 

まさに竹を編んでいく作業のことです。

 

四つ目編みや透かし網代編み、

 

二代目前田竹房斎の行った重ね

 

網代編みなどがあります。

 

 

 

群馬県の竹林

 

群馬県では残念ながら

 

竹林の伐採事業の計画が進められているようです。

 

放置された竹林の面積が拡大し、

 

また荒廃化も進んでいることが原因のようです。

 

勝城蒼鳳の作品は、そう言った危ぶまれる

 

栃木の竹林の大切さを伝えています。

 

 

 

県内外に伝える栃木の風土感

 

勝城蒼鳳は、20174月から6月にかけて

 

岡山県井原市にある井原市立田中美術館で

 

竹工芸の人間国宝勝城蒼鳳氏の春季特別展を開催し

 

本人も席に出席しました。

 

また20187月に栃木県大田原市の

 

那須野が原ハーモニーホールにて行われた

 

「第23回原野展~那須野が原の作家たちは今~」で、

 

自身の作品を出展しています。

 

勝城蒼鳳は生まれ育った栃木の風土感を、

 

県内外に伝えています。

 

 

 

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