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2018.08.23
骨董品

塚本快示【人間国宝/白磁・青白磁】

塚本快示(つかもとかいじ)

 

1912年に岐阜県に生まれた塚本快示の生家は

 

製陶を代々営んでいました。

 

幼い頃から製陶を始め

 

その才能が広まり始めたのは50歳の頃です。

 

49歳で通商産業省のGマークに入選したのをきっかけに

 

1963年の日本伝統工芸展に初入選

 

また、その翌年にはカリフォルニア博覧会で

 

金賞を受賞しました。

 

その後も53歳の時には

 

日本伝統工芸展日本工芸会会長賞を受賞し

 

65歳にして紫綬褒章を受章するなど

 

数々の賞を立て続けに受賞しています。

 

海外でも積極的に創作活動を行うなどし

 

71歳の時に白磁と青磁の技術で

 

重要無形文化財保持者に認定され

 

翌年には勲四等旭日賞を受賞しました。

 

その製陶活動は、戦後の美濃窯を大いに発展させた

 

日根野作三に師事したもので

 

中国陶磁、主に北宋時代の

 

青磁、白磁、影青の研究を行いました。

 

 

 

【塚本快示の作品の特徴と技法】

 

塚本快示の作品の種類は多岐に及び、

 

壺、鉢、組器、皿、青白磁器など

 

その作品のいづれも品格のある美しい作品として

 

評価されています。

 

そのデザインの特徴は、シンプルな絵付けで

 

清廉な美しさを醸し出している点です。

 

白磁胎に、乾く前に鋼や竹のヘラで模様をつける

 

片切り模様など、とても難しい技術も駆使して

 

作品を制作していました。

 

そのような技術は塚本快示以外では

 

容易にできる技術ではなく、その高度な技術もまた

 

塚本の独自の美を表現するには

 

必要な技術でもありました。

 

作品のフォルムもとても端正な佇まいをしており

 

優美な曲線で見る者を魅了します。

 

それは、中国北宋の古典的な

 

端正な陶磁器の影響も少なからず受けているから

 

と言え、独自の作風を確立しながらも

 

伝統的な作風にも重きを置く

 

塚本の作品の特徴を表しています。

 

その作品は見ているだけでも美しく

 

美術品としても満足してしまいますが

 

実用的な工芸品としての価値も評価されています。

 

そういったこだわりも塚本快示の作品に対する

 

創作姿勢が窺えます。

 

 

 

【塚本快示の評価される所以】

 

塚本快示が評価される所以は

 

中国北宋の青白磁を長年研究し

 

古典的な技法や技術を会得した上で

 

世に広めた功績が大きく

 

そのほか自身のオリジナルの技法を織り交ぜ

 

その作風を作り上げたことにもよります。

 

もちろん、白磁や青磁の第一人者として

 

その名は認知されており、後に続く作家にも

 

多大な影響を及ぼしています。

 

また、自身の創作活動は国内に留まらず

 

海外にも積極的に活動範囲を拡げています。

 

カリフォルニア博覧会や

 

モントリオールの万博にも出品し

 

その作品は高い評価を得ました。

 

地元の美濃焼の発展に尽力したその姿勢にも

 

塚本快示の製陶に打ち込む精神性が

 

色濃く現れているといえます。