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2018.03.26
骨董品
茶道具

リチャード・ジノリ ~Richard Ginori~

リチャード・ジノリ ~Richard Ginori~ とは

 

ジノリはイタリアの陶磁器メーカーです。

 

白い陶器を作り出すのが難しかった

 

17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパで、

 

ドイツやオーストリアに続き

 

磁器窯を創設しました。

 

 

創業者であるカルロ・ジノリ侯爵は

 

1735年、自身の領であるドッチアに窯を開くと

 

鉱物学の知識を活かし

 

原料土や発色の研究を重ね、

 

イタリア初の白い磁器を完成させました。

 

当初は豪華な1点ものの作品に

 

力を注いでいましたが

 

その後東洋の磁器や

 

フィレンツェの果物や花から

 

インスピレーションを得て、

 

代表作となる「レッドコック(赤い雄鶏)」や

 

「グランデューカ」を生み出します。

 

作品はフィレンツェの権力者

 

メディチ家にも献上されたそうです。

 

 

その後カルロ・ジノリ侯爵のあとを

 

息子たちが引き継ぎ、

 

新工場の建設や磁器の質の改善を実現し、

 

ジノリは様々な作品を生み出していきます。

 

19世紀になるとフィレンツェに直営店を展開して

 

一般にもジノリは広まり、

 

神聖ローマ皇帝フランツ2世や

 

ナポレオンの妻マリー・ルイーズ、

 

エジプト総督などの

 

多くの皇族たちにも愛されました。

 

 

数々の名品を生み出したジノリは

 

1896年、企業家ジュリオ・リチャードの

 

ミラノ工場と合併し

 

現在の「リチャード・ジノリ」の形となりました。

 

 

代表作

 

ベッキオジノリホワイト

 

リチャード・ジノリを代表する

 

最古の作品です。

 

「ベッキオ」とはイタリア語で

 

「古い」を意味し、

 

バロック様式の格式高いレリーフで

 

規則正しいバスケットの編み込み模様と、

 

中心に向かって

 

大胆に入ったライン等が特徴です。

 

 

ジノリ ベッキオホワイト

 

 

グランデューガ

 

ジノリ開窯後間もない時期、

 

トスカーナ大公妃でありオーストリア女王の

 

マリア・テレジアの為

 

デザインされました。

 

リチャード・ジノリならではの白地に、

 

東洋的な大輪の花々が描かれた

 

高貴なデザインで、

 

「グランデューガ」はイタリア語で

 

「大公妃」を意味しています。

 

「東洋の庭」という別名もある作品です。

 

 

ジノリ グランデューガ-0

 

 

イタリアンフルーツ

 

1770年頃、ある貴族が

 

トスカーナに持っていた別荘用のテーブルセットとして

 

デザインされた作品です。

 

こちらもジノリの代表作で

 

ジノリならではの白地に、

 

青紫のプラムを中心にとしたフルーツや小花が

 

絶妙なバランスで描かれています。

 

絵付けは職人の判断によって

 

いくつかのパターンがあり、

 

同じシリーズでも

 

11つ柄が違っているものもあります。

 

 

ジノリ イタリアンフルーツ

 

 

アンティックローズ

 

18世紀後半に誕生しました。

 

当時のヨーロッパ貴族をはじめ

 

上流階級で絶賛され、

 

200年以上経った今も人気の高い作品です。

 

ルネサンス期の銀器の形をモチーフにしており、

 

柔らかな曲線を帯びた中に

 

デンテル模様という縁取りと、美しいバラが

 

散りばめられた可愛らしいデザインです。

 

 

ジノリ アンティックローズ