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こんにちは。愛媛県松山市で骨董品や美術品、そして高級文具の買取を行っている「くらや 松山店」です。
今回は筆記具の中でも世界的に高い評価を受ける「モンブランの万年筆」について、買取市場の動向や査定ポイント、そして実際の買取エピソードを交えて詳しくご紹介いたします。
「使っていない万年筆があるけど価値がわからない」
「遺品整理で出てきたけど、本物かどうか見てほしい」
そういったお声も多く寄せられる中、筆記具の中でも特に高価買取が期待できるのが、今回のテーマであるモンブランの万年筆です。
モンブラン(Montblanc)は1906年にドイツ・ハンブルクで創業された筆記具ブランドで、その名前はヨーロッパ最高峰「モンブラン山」に由来します。万年筆、ボールペン、メカニカルペンシルを中心に、現在では革製品や時計、ジュエリーなども展開しています。
中でも代表的なのが「マイスターシュテュック(Meisterstück)」シリーズ。1924年の発売以来、その美しいデザインと書き味で世界中のファンを魅了し続けています。
万年筆1本で数万円から数十万円、中には限定品で100万円を超えるものもあり、その資産価値と希少性は骨董品の世界でも評価が高まっています。
モンブランの万年筆は“書く道具”を超え、まるで工芸品のような美しさを持っています。筆記具でありながら、高級時計やジュエリーに匹敵する存在感があり、骨董や美術品としての価値も見いだされています。
18金や14金のペン先が生み出す滑らかな書き心地、インクの伸び、そして手にフィットする絶妙なバランス。使用感の良さが愛用者を魅了し続けています。
モンブランでは毎年、「作家シリーズ」や「パトロン・オブ・アート」などの限定コレクションを発表しています。中には1,000本以下の限定品もあり、市場に出回る数が少ないことからプレミア価格がつくことも珍しくありません。
モンブランの万年筆を売却する際、以下のポイントが買取価格を大きく左右します。
マイスターシュテュック149や146は定番人気ですが、作家シリーズ(例:ヘミングウェイ、ディケンズなど)は希少価値が高いため、相場も高めに設定されます。
・インク漏れやペン先の破損は減額対象
・使用感が少なく、スレや傷の少ないものは高評価
・未使用や新品同様品ならなお良し
箱、保証書、取扱説明書、インクカートリッジなどが揃っていると査定額アップに繋がります。
名前やイニシャルが彫られている場合、再販が難しくなるため減額される傾向にあります。
先日、松山市東石井にお住まいの男性より「父の遺品整理で書斎を片付けていたところ、万年筆がいくつか出てきたので見てほしい」と店舗に来店されました。
ケースの中に入っていたのは、モンブラン マイスターシュテュック149。ペン先には18金の刻印、キャップには「Germany」の表記。保管状態は良好で、目立った傷や摩耗もなく、付属のインクボトルや外箱も揃っていました。
ご家族は「父が仕事一筋の人で、この万年筆で毎日日記を書いていたようです」と語ってくださり、思い出の品として保管されていたそうです。しかし、「このまま置いておくより、価値をわかる人の手に渡ってくれる方が嬉しい」とご判断され、買取をご希望されました。
「父もきっと喜んでいると思います。丁寧に見てくださってありがとうございます」とのお言葉をいただき、こちらも胸が温かくなるお取引でした。
万年筆はただの筆記具ではなく、「手で書く楽しみ」を再認識させてくれる道具。中でもモンブランは、書くたびに所有者の気分を高揚させてくれる逸品です。
使わなくなったモンブランも、誰かの手で再び輝きを放つことができます。眠っている万年筆を、次の持ち主へとつなぐ橋渡しができるのが私たちの仕事です。
経験豊富な鑑定士が、1点1点丁寧に拝見し、その品の本当の価値を見極めてご提示いたします。
眠っているモンブランの万年筆がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。