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2025.02.05
松山店

煎茶道具、宝瓶の魅力…備前焼の宝瓶が今アツい!「買取専門店 くらや 松山店」煎茶道具の査定・買取はお任せ下さい!

7:31 pm

◎はじめに

こんにちは。茶道具や骨董品、古美術品の高価買取を行っている買取専門店『くらや松山店』です。愛媛県でお茶道具(抹茶道具・煎茶道具)の査定・買取を希望される方は、是非『くらや松山店』をご利用ください。

 

お茶道具と聞いて、抹茶道具を思い浮かべる方が多いと思います。戦後、女性の教養の一つとして茶道が推奨され、学校教育にも組み込まれたことから、抹茶道は広まりました。現在の若い方にはなじみがないかもしれませんが、一度はたしなんだことがあるという方も多いと思います。また、高校等の部活動で行われている茶道は抹茶がほとんどでしょう。

骨董の世界でも、お茶道具は取引されることが多く、当店に買取依頼のあるお道具の中でもよくご相談いただく商品です。しかし、コロナの影響でお茶会が開かれなくなるなど、お抹茶道具の相場は下降気味となっています。そのようななか、相場が上昇しているお茶道具があります。それが煎茶道具です。煎茶道具には、煎茶椀、宝瓶、急須、茶合、茶托等々、たくさんの道具がありますが、今回のブログでは、煎茶道具の中でも宝瓶にスポットを当てて、ご紹介していこうと思います。

また、特に相場高騰している備前焼の宝瓶について、作家のご紹介、買取エピソードもご紹介していこうと思いますので、最後までお付き合いください。


◎宝瓶(ほうひん)とは

宝瓶(ほうひん)は、煎茶道具の中で特に洗練された美しさを持つ急須の一種です。その名前は「宝の器」を意味し、取っ手がない独特の形状と機能性から、煎茶や中国茶を淹れるための道具として広く愛用されています。宝瓶は、ただお茶を淹れる道具というだけでなく、日本の煎茶文化を象徴する存在であり、その歴史や使い方には日本と中国の茶文化が融合した深い背景が秘められています。

宝瓶の最大の特徴は、取っ手がないシンプルなデザインです。急須とは異なり、持ち手がないことで全体がよりコンパクトで繊細な印象を与えます。素材には主に陶磁器が用いられており、備前焼、萩焼、萬古焼など各地の窯でそれぞれ特色のあるものが作られています。その美しい光沢と質感は、茶の色や香りを際立たせるだけでなく、道具そのものを鑑賞する楽しみも持ち合わせています。また、その容量は比較的小さく、通常13人分の少量を淹れるのに適しています。これにより、少量の高品質な茶葉を贅沢に使って、じっくりとその香りや味を楽しむことができるのです。

宝瓶の形状は、茶葉がゆっくりと開き、その香りや旨味を引き出しやすいように工夫されています。注ぎ口は小さく、茶葉がこぼれにくい設計になっています。また、蓋が付いているため、蒸らす際に熱をしっかりと閉じ込めることが可能です。このように、宝瓶の形状や機能は、ただ見た目の美しさだけでなく、実際にお茶を淹れる際の使いやすさや機能性を重視した設計になっているのです。

宝瓶を使う際のもう一つの大きな特徴は、湯温の調整がしやすい点です。取っ手がないため、本体を直接触ることで温度を手で感じ取ることができます。これにより、茶葉に適した湯温を自然に見極めることができるのです。特に上質な煎茶や玉露など、繊細な温度管理が求められる茶葉を淹れる際には、この機能が大いに役立ちます。茶葉本来の風味を最大限に引き出すには、湯温の調整が非常に重要です。そのため、宝瓶は茶葉の持つポテンシャルを引き出すための理想的な道具といえます。

宝瓶を使う手順は非常にシンプルですが、そこには茶を淹れる所作の美しさや、茶を楽しむ心が表れています。まず、湯冷ましを使って適温まで冷ましたお湯を準備します。その後、宝瓶に少量の茶葉を入れ、湯を静かに注ぎます。数十秒から1分程度蒸らしたら、茶碗に均等に少しずつ注ぎ分けます。この際、茶葉の開き具合や湯の香りに集中することで、茶を淹れる行為そのものがひとつの瞑想的な時間となります。

宝瓶は、特に日本の煎茶道において重要な位置を占めています。煎茶道は、抹茶の茶道とは異なり、日常生活の中でお茶を楽しむという点に重きが置かれています。そのため、茶葉の品質や淹れ方、そして茶道具の美しさに対するこだわりが強く反映されています。宝瓶はその象徴的な存在であり、茶を淹れるひとときの充実感を高める役割を果たします。

また、宝瓶は日本と中国の茶文化の融合の象徴とも言えます。中国から伝わった茶の淹れ方や道具の影響を受けつつも、日本独自の美意識や機能性が加わっています。このような背景を知ることで、宝瓶を使う楽しみがさらに深まることでしょう。

このように、宝瓶は茶を淹れるための道具であると同時に、茶文化の歴史や美意識を体現する存在です。その繊細で機能的なデザインは、日常の中に特別なひとときをもたらしてくれます。宝瓶が茶を淹れる道具としてだけでなく、観賞用の道具としても重宝されているのにも納得の理由があるのです。


◎備前の手捻りで作られる宝瓶

煎茶道具、宝瓶の魅力…備前焼の宝瓶が今アツい!「買取専門店 くらや 松山店」煎茶道具の査定・買取はお任せ下さい!

次に宝瓶の中でも備前の宝瓶についてご紹介していきます。

様々な陶磁器で作られている宝瓶の中で、備前焼の手捻りという技法で作られている宝瓶は高い評価を受けています。

備前焼の手捻りとは、岡山県備前市を中心に作られる伝統的な焼き物である備前焼を、ろくろを使わず手作業のみで形作る技法のこと。

手捻りの備前焼の魅力は、ろくろを使った作品にはない自然な形や、作り手の手の温かみを感じられることが魅力です。一点一点が手作りのため、全てが唯一無二の作品となります。また、土の質感や焼成による模様がそのまま現れ、素朴で力強い美しさを楽しむことができます。

もともと備前焼は釉薬を使わず、土の風合いや薪窯での焼成による自然な模様が特徴的な焼き物です。中でも手捻りで作られた作品は、作り手の個性や温もりが感じられる特別な存在となっているのです。


◎備前焼 人気作家のご紹介

ここからは、人気の備前焼の作家をご紹介していきます。お持ちの煎茶道具や、頂きものの宝瓶の中に、これらの作家の作品があれば高額査定のチャンスです。

・入江光人司

入江光人司(いりえ みとし)は、日本の備前焼の名匠であり、特に宝瓶(ほうひん)の制作で高い評価を受けています。彼は故・入江兼次氏の長男として生まれ、伝統的な備前焼の技術を受け継ぎながらも、独自の作風を確立しました。

入江光人司の作品は、手作りによる繊細な造形と、薪窯での焼成による自然な色合いが特徴的です。特に、松ぼっくりや龍などをモチーフにした摘み(蓋の取っ手)を持つ宝瓶は、茶器としての機能性と美しさを兼ね備え、多くの茶人や陶芸愛好家から支持を受けています。

また、入江光人司は「日本備前宝瓶第一人者」と称されることもあり、その技術と功績は国内外で高く評価されています。

入江光人司の作品は、伝統と革新が融合した備前焼の魅力を体現しており、その独特の風合いとデザインは、茶道具としてだけでなく、芸術作品としても高い価値を持っており、その芸術性からコレクターズアイテムとしても人気があります。

・初代 大饗仁堂

初代大饗仁堂(おおあえ じんどう)は、1890年(明治23年)に岡山県備前市浦伊部町で生まれた備前焼の名工で、本名は大饗時松といいます。彼は伝統的な備前焼の技術に加え、独自の彫塑や細工技術を取り入れた作品を数多く制作しました。

京都で陶芸の修行を積み、特に細工物の技術を習得した後、備前に戻って伊部陶芸学校で学び、備前焼の基礎をさらに深めました。また、彫刻家・井上仰山から彫塑技術を学び、その影響で繊細で立体的な装飾が特徴の作品を生み出しました。

彼の代表的なモチーフは「蛙(カエル)」で、その高い技術から「蛙仁堂」とも呼ばれるほどでした。また、宝瓶、徳利、花器なども多く制作し、手捻りによる独特の風合いや薪窯での焼成による自然な色合いが魅力の作品を多く残しています。

・二代目 大饗仁堂

初代大饗仁堂の後を継ぎ、備前焼の伝統を受け継いだ陶芸家です。二代目大饗仁堂については、細かな略歴はわからないことが多いのですが、初代の没後に二代目を襲名し、人物や花鳥、置物など多岐にわたる作品を残していおり、その技術は高く評価されています。

・大森輝彦

大森輝彦(おおもり てるひこ)は、1940年に岡山県岡山市古都宿で生まれた備前焼の陶芸家です。市役所勤務を経て、27歳のときに二代目大饗仁堂の次女と結婚し、仁堂窯に婿養子として入りました。義父である二代目大饗仁堂の作陶を見習い、30歳で市役所を退職して本格的に陶芸の道に進みます。1982年に義父が逝去した後、仁堂窯の三代目を継承しています。​

大森輝彦は、茶器に龍や動物などの細工物を施すことで知られています。特に、精巧な龍の細工は高く評価されており、細部まで忠実に表現された作品は人気があります。これらの技術は義父から直接教わったものではなく、義父の作品や作陶風景を思い出しながら独自に習得したものといわれています。​

現在も、仁堂窯三代目として精力的に作陶活動を続けており、伝統的な備前焼の技術と独自の創意工夫を融合させた作品を生み出しています。

・石井不老

石井不老は、1899年生まれ、兵庫県姫路市出身の備前焼の名工で、本名は与三吉といいます。幼少期から陶芸に興味を持ち、18歳で明石市の御庭焼・朝雾窯の戸田秋嶺氏に師事し、陶芸の基礎を学びました。その後、備前焼の伝統的な技法を習得し、特に茶陶や細工物を得意としました。彼の代表作品には、般若心経を彫り込んだ宝瓶があり、細工の名手として知られています。また、岡山県の重要無形文化財にも指定され、その技術は高く評価されています。1964年逝去。


上記で紹介した作家以外にも、国の重要無形文化財(人間国宝)に指定されている、金重陶陽、山本陶秀、藤原啓、藤原雄、伊勢崎淳の他、伊勢崎陽山、鈴木黄哉(すずきおうさい)、西村春湖、平川正二、中村六郎、小西陶古等、ここでは紹介しきれないたくさんの作家が高い評価を受けています。


7:31 pm

◎宝瓶の買取エピソード

ここからは、宝瓶の買取エピソードを2つご紹介します。

先日、店頭の展示物を見て、木箱入りの贈答品をお持ちいただいたお客様がいました。「木箱入りの贈答品が売れるという看板を見て持ってきました。」とのことで、昔いただいたものを終活で少しずつ処分していっているとのことでした。

たくさんお持ちいただいた贈答品は、砥部焼や九谷焼の花瓶など新築祝いに贈られる贈答品がほとんどでした。その中に、小さな木箱に入った備前焼の宝瓶がありました。お客様曰く、「誰からもらったものかも忘れた。使い方もわからないのでずっとしまっていた」とのこと。

箱が共箱になっており、作者を確認すると、備前の人気作家、入江光人司の宝瓶でした。非常に出来もよく、未使用の状態でしたので、しっかりと評価させていただきました。お客様もびっくりの高額査定になったようで、大変喜んでいただきました。

 

また別のお客様のお話です。

電話問い合わせで、「備前焼の宝瓶を集めていたんだが、出張買取で見に来てもらえますか?」とのお問合せでした。日程を打ち合わせし、後日お客様のご自宅へお伺いさせていただきました。詳しくお話をお伺いすると、備前の宝瓶が好きで少しずつ集めてきたとのこと。年を取り、息子や娘に引き継ごうと考えて話をしたら、息子も娘もまったく興味がなく、いらないといわれたそうです。このまま残しておくと、ごみとして捨てられるかもしれないと思い今回の依頼に至ったとのことでした。

一度に処分してしまうのもさみしいから、今回は数点の処分を考えているとのことでした。そして、見せていただいたのは、大饗仁堂の宝瓶、入江光人司の煎茶器、小西陶古の煎茶器の3点でした。どれも素晴らしい出来の商品でしたので、しっかりと評価査定させていただきました。お客様も納得の査定となり、「少し寂しいが、大事に使ってくれる人のところへ行くほうが作品も喜ぶと思う。」とのことでご成約となりました。


◎最後に

自分が大事にしてきたものが、子供や孫にとっては不要でごみとなってしまうこともあります。お茶道具等は自身がお茶をしていないと場所をとるだけの邪魔なものとなりかねません。

買取専門店『くらや松山店』ではプロの鑑定士が物の価値をしっかりと見極め買取をいたします。

とくに、相場が高騰している煎茶道具は高額査定のチャンスです。煎茶道具の中には一見お茶道具に見えない道具もあり、間違えて捨ててしまったというお話も耳にします。『くらや松山店』はプロの目でお宝を逃しません。

「査定してもらいたいものがたくさんあって、店舗まで持って行けない」「重たくて家の外まで運び出せない」など、来店の難しいお客様は無料出張買取をご利用下さい。

査定・相談・出張費用は全て無料です。皆様のご来店・お電話を心よりお待ちしております。

骨董品・美術品、遺品整理の高価買取なら買取専門店の
【KURAYA】松山店店へご相談ください。

買取専門店 くらや 松山店
電話089-950-4334
営業時間10:00~19:00
住所愛媛県松山市天山1丁目13-5 イオンスタイル松山3階
アクセス 伊予鉄道横河原線 いよ立花駅より徒歩7分