
もくじ
キャラメルの箱を開けるとき、誰もが少しだけ胸が高鳴った――。
昭和の子どもたちにとって、「おまけ」はお菓子よりも主役だったかもしれません。
どんなおもちゃが出るか分からない“くじ引き感覚”に、友達同士で見せ合う楽しさ。
中には「飛行機が出た!」「人形が当たった!」と歓声を上げた記憶を、今も鮮明に覚えている方も多いでしょう。
グリコのおまけは、ただの付属品ではなく、夢と希望が詰まった小さな宝物。
そのわずか数センチの中に、当時の子どもたちの笑顔や時代の息づかいが宿っています。
現代では“昭和レトロ”として再評価が進み、希少なアイテムはコレクター市場で数万円の値がつくことも。
この記事では、そんな“昭和のグリコおもちゃ黄金期”に焦点を当て、その魅力と価値を紐解いていきます。
グリコのおまけが誕生したのは、1927年(昭和2年)。
創業者・江崎利一が「おいしさと健康に、もうひとつの楽しみを」との理念から、キャラメルに小さな玩具を添えたのが始まりでした。
当時は紙製の絵カードや厚紙の切り抜き人形が中心。
それでも“箱を開けるまで何が出るか分からない”というアイデアは革命的で、たちまち子どもたちの心を掴みます。
戦中・戦後の物資不足の中でも、“夢を失わせない”という江崎グリコの姿勢がブレることはありませんでした。
そして昭和20年代後半から30年代にかけて、セルロイドやブリキを用いた立体おまけが登場。
これが、後にコレクターたちが“レア期”と呼ぶ黄金時代の幕開けです。
「走るグリコマン」として知られる初代おまけは、厚紙製の立体人形でした。
キャラメル1箱に1体というスタイルは当時としては画期的で、子どもの笑顔と驚きを生む新しい“お菓子文化”を築き上げました。
素材は紙や木、セルロイドなど。職人が手作業で切り抜き、彩色したため、一点一点に味わいがあり、現存するものは非常に少ない貴重品です。
特に昭和初期の紙おまけはコレクター市場でも“幻級”といわれています。
戦争による中断を経て、昭和20年代に再び「おまけ文化」が復活。
セルロイド製やブリキ製の立体おまけが登場し、キャラメル箱を開けるワクワクが再び戻ってきました。
「グリコ動物園シリーズ」「自動車・飛行機シリーズ」など、子どもたちが憧れた“未来”や“夢”を形にしたデザインが多く見られます。
この時代のセルロイドおまけは、現存数が極端に少なく、希少価値が非常に高いことで知られています。
日本の産業が急成長を遂げた時代。グリコのおまけも技術革新の波に乗り、プラスチック成型によるミニチュアが次々登場しました。
「サイエンスグリコ」「冒険シリーズ」「宇宙シリーズ」など、知育要素を含むおまけも多く、“学べるおもちゃ”として人気を博します。
この頃から“集める楽しみ”が浸透し、おまけをコレクションする子どもたちが現れはじめたのもこの時期です。
テレビやアニメの台頭により、子どもの娯楽が多様化した時代。
グリコのおまけは、単なる“おまけ”から“郷愁を誘うシンボル”へと姿を変えていきます。
この頃のプラ製おまけは生産量が減り、一部ではキャンペーン限定の復刻モデルなども登場。
のちの「タイムスリップグリコ」や「企業ミュージアム展示」へと続く礎を築きました。
昭和の終盤に生まれたこれらの復刻品は、**“昭和を閉じる最後の記念モデル”**として今も人気です。
昭和30年代のグリコおまけは、いま見ても驚くほど精巧です。
直径2〜3cmほどの人形や乗り物に、職人たちは手作業で彩色を施していました。
中には絵の具の色味や瞳の位置が1点ごとに異なるため、“同じものがふたつとない”一点もののような魅力を放っています。
この頃の素材は主に以下の3種類:
・セルロイド製:柔らかく光沢があり、色が鮮やか。初期グリコの代名詞的素材。
・ブリキ製:金属の冷たさと重量感が特徴。ぜんまい仕掛け付きは人気が高い。
・初期プラスチック製:昭和40年代以降に登場。軽く壊れにくいが、味わいはやや現代的。
特にセルロイド製のおまけは、戦後の製造数が少なく、現存するものは非常に希少。
完全な形で残っている場合、数万円以上の査定となることも珍しくありません。
昭和30年代に登場した代表的シリーズ。ゾウやキリン、ペンギンなどをモチーフにした小さなフィギュア。
特に“グリコ動物園シリーズ”と呼ばれる初期モデルは人気が高く、台紙付き・未使用品なら高額買取の対象となります。
男の子に大人気だったのが、自動車や飛行機シリーズ。
ブリキの質感を再現した塗装が施されており、**昭和40年代前半の「プロペラ機」「消防車」などは1体数千円〜**の市場価値。
当時のパッケージ(キャラメル箱付き)ならさらに上乗せ査定になります。
少女やサーカス団員、看護婦などをかたどったセルロイド人形。
戦後の世相を反映したデザインで、社会風俗資料としても貴重。
可愛らしい造形は現代のソフビ人形文化の原点とも言われています。
昭和40年代に登場した「サイエンスグリコ」は、知育要素を取り入れた新路線。
顕微鏡・潜水艦・宇宙探査機など、当時の科学ブームを背景に誕生しました。
この時期のプラ製ミニチュアは状態が良ければ学習玩具マニアにも人気があります
昭和期のおまけの中でも、特に高額で取引されるのは以下のような条件を満たすものです。
| 評価ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 年代が古い(昭和20〜30年代) | セルロイドやブリキ素材が多く、現存数が少ない |
| パッケージ・台紙付き | キャラメル箱や説明書、販売促進カード付きは高評価 |
| 未使用・未開封状態 | 経年劣化が少ないものは希少価値大 |
| シリーズ完品セット | 動物全種コンプリートなど、コレクターが高値で探す傾向 |
| 地域限定・販促限定品 | 関西・九州・東海など限定流通のレア品 |
ある日、松山市内にお住まいのご年配の男性が、小さな紙箱を抱えてご来店されました。
「古いおまけを整理していたら、押入れの奥から出てきましてね」と、どこか懐かしそうな笑みを浮かべながら。
箱の中には、色あせたキャラメル箱とともに、可愛らしい動物たちや乗り物のおもちゃが丁寧に包まれていました。
スタッフがひとつひとつ確認していくと、その中には昭和30年代の「グリコ動物園シリーズ」が。
セルロイド製のゾウやキリン、ブリキ製のミニカー、さらに初期プラスチック製のカラフルな飛行機などが混ざっており、まさに素材の移り変わりと時代の記録が詰まった小箱でした。
どれも彩色が残り、ひび割れや欠損もほとんどない良好な状態。
中でも、セルロイド製とプラスチック製が同時に揃っている点は非常に珍しく、コレクター市場でも注目される貴重な組み合わせです。
「これはすごい保存状態ですね……」スタッフも思わず声を漏らしました。
セルロイドは経年劣化に弱く、変形しやすい素材。
ブリキも錆びやすく、プラスチックは退色しやすいため、三種すべてが当時のまま残っているケースはごくわずかなのです。
お客様は「孫が遊ぶかと思って出してきたけど、壊れそうで怖くてね」と笑いながら話されました。
査定の結果、シリーズ構成や保存状態、素材の多様性を総合的に評価し、十分ご満足いただける査定額をご提示。
「お菓子のおまけにこんな価値があるなんて」と驚かれつつも、「ちゃんと見てもらえてよかった」と穏やかな笑顔を見せてくださいました。
グリコのおまけは、一見小さく素朴な玩具ですが、セルロイド・ブリキ・プラスチック――それぞれの素材が日本の昭和文化の変遷を語る証人でもあります。
素材の違いに時代の空気が宿り、ひとつひとつの造形が、当時の技術や子どもたちの夢を今に伝えています。
「買取専門店 くらや 松山店」では、こうした玩具を単なる“古いもの”としてではなく、
**“時代と人の記憶が詰まった文化資料”**として丁寧に拝見しています。
押入れや蔵の奥に眠るおまけたちが、今もこうして語りかけてくる――そんな瞬間に立ち会えることこそ、鑑定士にとっての大きな喜びです。
昭和の子どもたちが胸を躍らせたキャラメルの小箱。
その中に入っていた小さなおまけは、ただの玩具ではなく、当時の夢や生活を映す文化のかけらです。
素材や造形、彩色のひとつひとつには、職人の手仕事と時代の空気が息づいています。
初期のグリコおまけには、セルロイドやブリキが多く用いられました。
柔らかく光沢のあるセルロイド、金属的な質感と重量感を持つブリキ――
それぞれが昭和のものづくりを象徴する素材でした。
やがて昭和30年代後半からはプラスチック製の成型技術が発達し、より軽く、カラフルで壊れにくいおまけが登場します。
この変化こそが、戦後日本の産業発展と豊かさの象徴でもあり、素材の進化が“時代の歩み”そのものであったことを教えてくれます。
こうした素材の違いは、単なる製造技術の変化にとどまらず、時代の価値観や子どもたちの夢の形をも映し出しています。
セルロイドの柔らかな光沢、ブリキの重厚な存在感、プラスチックの鮮やかな色彩――それぞれに昭和の空気が閉じ込められているのです。
また、こうした小さな玩具には、家族や世代をつなぐ力があります。
親から子へ、そして孫へと、「これで遊んでいたんだよ」と語り継がれることで、おまけは単なる過去の遺物ではなく、思い出と時間を共有する小さな記録となります。
近年では、美術館や企業博物館などでも昭和期のおまけが展示され、“日本のミニチュア文化”や“消費文化の変遷”として再評価されています。
小さなプラスチックの中に、広告、デザイン、教育、遊び――そのすべてが凝縮された「生活の証」として、
研究者やコレクターたちの注目を集め続けています。
だからこそ、押入れの中に眠るグリコのおまけを見つけたら、「古いもの」ではなく「昭和という時代を語る小さな証人」として眺めてみてください。
そこには、失われつつある日本の“やさしい時間”が詰まっています。
グリコのおまけは、戦前から昭和、そして平成へと続いた日本独自の文化。
その小さな玩具たちは、ただの懐かしさではなく、今や時代を映す文化遺産としても高い価値を持つようになりました。
私たち「買取専門店 くらや 松山店」では、そうした昭和の玩具や企業ノベルティ、駄菓子屋のおまけなどを、一点一点、丁寧に査定しております。
特に昭和20〜40年代にかけての、セルロイド製・ブリキ製・初期プラスチック製などは、現存数が少なく、コレクターの間でも高い注目を集めています。
破損や色褪せがあっても、希少なシリーズや限定生産品であれば評価対象となる場合がありますので、お気軽にお持ち込みください。
また、「量が多くて持ち運びが大変」「蔵や押入れを整理したい」という方には、愛媛県内全域での出張買取も無料で対応しております。
専門の鑑定スタッフがご自宅まで伺い、その場で査定・ご説明いたします。
私たちが大切にしているのは、“品物の価値”だけでなく、“思い出の重み”もきちんと受け取ること”。
お客様が大切にされてきた昭和の品々を、次の世代につなぐお手伝いができることが、私たちの誇りです。
小さなおまけ一つにも、時代と人の物語が宿っています。
もしご自宅に眠る昭和のおもちゃやグリコおまけがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
【店舗情報】
買取専門店 くらや 松山店
所在地:愛媛県松山市天山1丁目13-5 イオンスタイル松山3階
営業時間:10:00~19:00(年中無休)
お問い合わせ:089-950-4334
駐車場 : あり/無料 1,140台
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