
もくじ
こんにちは。愛媛県松山市で骨董品や美術品の買取を行っております「買取専門店 くらや 松山店」です。今回は、懐かしさと郷愁を誘う日本の伝統工芸品「こけし」についてご紹介いたします。
かつては観光地の土産物として、今では骨董・蒐集品としての価値も見直されつつあるこけし。その魅力や種類、そして買取時のチェックポイントまで、専門鑑定士の視点からわかりやすくお伝えします。また、当店で実際にこけしをお買取りさせていただいたお客様との出張買取エピソードも併せてご紹介いたします。
こけしとは、木製の胴体と丸い頭を持つ日本の伝統的な人形で、主に東北地方で生産されてきた郷土玩具の一つです。その起源は江戸時代後期とされており、温泉地などを訪れた観光客の土産品として発展しました。
木地師(きじし)と呼ばれる職人が手作業で一つひとつ作り上げるこけしは、地域によって形状や絵付けが異なり、それぞれに独特の魅力を放っています。戦後は一時的に衰退したものの、昭和後期〜平成にかけては蒐集家の間で再評価され、近年では「レトロブーム」に乗って若年層にも人気が出ています。
伝統こけしは、東北地方の11系統に分類されるこけしです。主に温泉地周辺で作られ、地域ごとの特徴を持っています。
代表的な系統には以下のようなものがあります:
鳴子系(宮城県):首を回すとキュッキュと音が鳴る「鳴子こけし」が有名。
津軽系(青森県):太い胴と大胆な模様が特徴。
遠刈田系(宮城県):バランスの良い形状で、初期こけしに近い。
蔵王高湯系(山形県):紅花など地元産の自然染料を使用。
肘折系(山形県):小さな目と短い胴体が特徴的。
どの系統も、長い歴史と伝統を背景に持ち、地域の文化を色濃く反映しています。
一方、創作こけしは昭和初期以降に芸術家や職人が自由な発想で作り出したデザインのこけしです。造形も彩色も自由で、モダンなデザインやキャラクター風のものも登場し、コレクション性の高いジャンルとして注目されています。
最近では、若い女性を中心に「ゆるかわ」なデザインの創作こけしがインテリアとして人気を集めており、SNSでも話題になることが増えました。
こけしは、一見すると素朴な木の人形ですが、その魅力は奥深いものです。
一点一点が手作りの芸術品:同じ職人でも、ひとつとして同じ顔はなく、わずかな表情の違いや色の濃淡に個性が出ます。
時代の空気を閉じ込めた存在:昭和レトロの雰囲気をまとったこけしは、当時の風俗や生活文化の記録でもあります。
集める楽しさ:系統や工人、年代によって分類でき、カタログ化された蒐集の世界が広がっています。
インテリアとしても映える:ナチュラルな木の温もりが、現代の空間にもよくマッチします。
こうした理由から、こけしは単なる「おもちゃ」や「民芸品」ではなく、アートとしての価値が認識され始めています。
作者(工人)
有名なこけし工人の作品は高く評価される傾向があります。例:阿部常蔵、佐藤今朝雄、柿崎文雄など。
年代と保存状態
古いものでも状態が良いほど評価が高くなります。日焼けやひび割れ、塗装の剥がれは減点対象です。
系統の希少性
流通量の少ない地域の伝統こけしは、高価買取につながることも。
サイズ・デザイン性
大きなサイズや装飾が凝ったもの、希少な絵付けの作品は人気があります。
付属品や箱
元箱や共箱、来歴が分かる紙資料などがあると査定アップにつながります。
ある日、天山にあるイオンの店舗「買取専門店 くらや 松山店」に、年配の女性のお客様がご来店されました。お話を伺うと、亡くなったご主人がこけしの収集を趣味としておられたそうで、ご自宅の整理を機に一部を手放したいとのことでした。
お持ちいただいたのは、鳴子系こけしを中心に30点ほど。中には創作こけし作家である加藤龍雄の作品や、首を回すと音の鳴る古典的な鳴子こけしもあり、保存状態も非常に良好。ひとつひとつ丁寧に布で包まれており、ご主人の愛情がこもったコレクションであることが伝わってきました。
査定後、ご説明を丁寧に行い、お客様も「きちんと見てくれて嬉しい」と安心した表情に。ご納得の上、数点を高価買取させていただきました。
最後に「また、時間があるときに整理して持ってきますね」と笑顔で帰られたのがとても印象的でした。こうした一期一会のご縁を大切に、当店では誠実な査定を心がけております。
当店では、骨董品や美術品をはじめ、こけしのような郷土玩具・民芸品の査定にも力を入れております。専門知識を持ったスタッフが、一点一点丁寧に査定し、真心を込めてご対応いたします。
出張査定・出張買取も無料
1点からの持ち込みも歓迎
遺品整理や終活のご相談も受付中
天山のイオン内にある「くらや 松山店」では、お買い物ついでに気軽に立ち寄っていただける立地です。
こけしは、日本の美意識と手仕事の文化が詰まった小さな芸術品です。古き良き時代の空気を宿したこけしには、今なお人の心を惹きつける力があります。
「これは価値があるのかな?」「誰かに引き継いでもらいたい」
そんなお気持ちがあれば、ぜひ一度、私たちにご相談ください。