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松山店
2021/01/27

愛媛県松山市 鉄瓶の買取|龍文堂 亀文堂 金寿堂 正寿堂|茶の湯文化を支えた京鉄瓶と南部鉄瓶

8:54 am

こんにちは。鉄瓶などの茶道具をはじめ、骨董品・美術品・貴金属などの買取を行っている買取専門店『くらや松山店』です。当店で買取依頼を多く承っている〈茶道具〉。今回は、たくさんの種類が存在する茶道具の中から〈鉄瓶〉にスポットを当てて、その歴史や用途、種類などをご紹介していきたいと思います。

はじめに

独特の重みと落ち着いた雰囲気を持つ〈鉄瓶〉。鉄瓶というと、薬缶(やかん)をイメージされる方は多いのではないでしょうか?

 

鉄瓶はお湯を沸かすための道具であるため、一般的には急須よりも大きいものが多く、直火で温めて使用します。鉄瓶で沸かしたお湯などからは、体内でも吸収されやすい鉄分を摂ることができ、まろやかな味わいを楽しめることも魅力です。

 

電気ポットやケトルが安価で手に入る今、かつては日本の多くの家庭で使われていた鉄瓶はあまり見かけられなくなりました。しかし鉄瓶には、約350年もの長い年月に渡り日本で親しまれてきた歴史があるのです。

鉄瓶の歴史

鉄瓶の歴史は非常に古く、中国の唐の時代(618年~907年)頃まで遡ります。この時代に中国では、〈抹茶道〉や〈煎茶道〉といった茶道の文化が誕生し、その後発展を見せていくことに。

 

日本国内にお茶の文化や道具を伝えたのは、中国と日本を行き来していた遣唐使や留学僧です。〈最澄〉や〈空海〉といった人物が、これに当たります。彼らが中国から持ち込んだ道具の中に鉄瓶のもととなる〈鉄釜〉があり、これが日本での鉄瓶の歴史の始まりなのだとか。

 

当時の鉄釜には取っ手や注ぎ口がなく、柄杓などを使って沸かしたお湯を入れておく鍋のような形状でした。その後「片手でもお湯が注ぐことができ、便利に使えるように」と、従来の鉄釜に取っ手と注ぎ口が取り付けられ、現在のような鉄瓶の形が出来上がります。

 

〈鉄瓶〉という呼称が使われるようになったのは、江戸時代中期の天明年間(1780年頃)頃のこと。鉄釜の名残からか、鉄薬鑵(てつやかん)、薬鑵釜(やかんがま)、手取り釜などと呼ばれた時期もあったそうです。

 

冒頭でも少しお話しましたが、鉄瓶で沸かしたお湯は二価鉄と呼ばれる鉄分やミネラル成分が多く含まれ、貧血予防に効果があると言われています。また昨今の〈白湯ブーム〉なども手伝い、鉄瓶は今再注目アイテムなのです。

 

また鉄瓶は、お湯を沸かすといった本来の使用用途をはじめ、インテリアとして飾られる場面も多々見かけます。日本の鉄瓶の代表格とも言える〈南部鉄器〉などでは、鉄瓶のミニチュア玩具や風鈴なども登場しており、若い世代にも手に取りやすく人気です。

鉄瓶の製造方法

溶けた鉄を流し込む鋳型には、二つのタイプがあります。作った型を高温で焼いて固める〈焼型〉と、砂に水と凝固剤を混ぜたものを押し固めて作る〈生型〉です

焼型

〈焼型〉は主に南部鉄瓶における伝統的な製造方法で、文様や形を決めてその鋳型を作成し、一度炭で焼き上げて固めます。こうして作られた鋳型に鋳込み(鉄を流し込む作業)をし、一旦取り外して約800度の炭火で焼き上げた鉄瓶は、重厚で逸品です。

 

〈焼型〉はこの工程をすべて手作業で行っています。それゆえに細やかで緻密な文様を描くことも可能になるのです。商品価格は高額ですが、お買取りの際にも高価査定が期待できるでしょう。

生型

〈生型〉は、〈焼型〉の鉄瓶とは対称的に現代鋳造で製作した鉄瓶。鋳型を作成する際は焼型鉄瓶のように焼き上げず、砂に水と凝固剤を混ぜて鋳型を押し固めて作成します。焼き上げる工程が無く、型を作成した砂を再利用することが可能なため、工場などでの大量生産に適した製造方法です。

 

〈生型〉で作られた鉄瓶は、お土産品や贈答品などに向いています。そのほとんどがお手頃価格の商品であるため、買取価格もあまり高くはならないことが多いです。

鉄瓶と鉄急須との違い

ここで、鉄瓶と鉄急須の違いについてお伝えしたいと思います。鉄瓶と鉄急須は似ていますが、そもそもの用途が違うのです。外側から見ただけではなかなか判断が難しく、『くらや松山店』に持ち込まれたお品物でも、「鉄瓶だと思っていたけれど、実は鉄急須だった」ということが非常に多くあります。

 

簡単にできる見分け方として、2点ご紹介します。
1点目は、内側に〈ホーロー加工〉があるかどうかです。鉄瓶の内側はホーロー加工がありません。

 

鉄瓶の内側は、高温で焼くことで錆びにくくする〈釜焼き(素焼き)〉という工法が施されており、素材は鉄のままなのです。そのため、鉄瓶は直接火にかけることが可能となります。

 

一方鉄急須はホーロー加工がされていますので、内側にエナメル質のような光沢があり、つるっとしているのが特徴。ホーローは直接火にかけると割れやすいため、温めたお湯などを保温する用途に向いています。

 

2点目は、〈茶こし〉の有無です。鉄瓶には茶こしが付いていません。鉄急須にはステンレス製の茶こしが付いていることがほとんどです。

 

以上のことから、鉄瓶は火にかけてお湯を沸かすための道具、鉄急須は茶こしに茶葉を入れてお湯を注ぎ、お茶を淹れるための道具と言えます。

鉄瓶の種類

ここまで、鉄瓶の歴史・製造方法・鉄急須との違いをご紹介してきましたが、日本の鉄瓶には大きく分けて2種類の鉄瓶があるのをご存じでしょうか?関西地方の、特に京都や滋賀を中心に作られた〈京鉄瓶〉と、東北地方の岩手県盛岡市や奥州市周辺で作られている〈南部鉄瓶〉です。

 

東北地方には、山形県を中心とした〈山形鋳物〉もありますが、生産地方や作品の様式から〈南部鉄瓶〉と〈山形鋳物〉は一つのくくりで見ることができます。

京鉄瓶

茶の湯釜として古くから利用されてきた〈京鉄瓶〉。主に蓋が銅製で作られていることと、梅の形のつまみが付いていることが特徴です。

 

鉄瓶内側の底には、〈鳴り金〉と呼ばれる鉄片がつけられています。鉄瓶の底と鳴り金の間にわずかな隙間があり、お湯が沸き始めると蒸気がその隙間から出て音を鳴らすのです。別名〈松籟(しょうらい)の音〉とも呼ばれています。

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南部鉄瓶

〈南部鉄瓶〉は、蓋が鉄製でつまみが一体型となっているのが特徴。また肌色が黒いものが多いです。

 

南部鉄瓶の始まりは、17世紀頃に南部藩の藩主であった南部重直が、京都から釜師の小泉仁左衛門清行を招来し、茶の湯釜を作らせたのが始まりとされています。後の18世紀頃、三代目小泉仁左衛門清尊が当時あった茶釜に注ぎ口と鉉(取っ手)を付けたことで、現在の南部鉄瓶の原型が出来上がったのだとか。

 

茶の湯釜としてだけでなく、人々の生活に必要な湯を沸かす道具としても広く使われるようになった〈南部鉄瓶〉ですが、鉄瓶の鑑定においては〈京鉄瓶〉の方が高額査定になる傾向にあります。〈京鉄瓶〉の方が茶道具としての需要が高いこと、煎茶道具の茶釜として国内のみならず海外からの評価も高いことが理由です。

 

もちろん〈南部鉄瓶〉にも評価の高い工房や人気作家が多数いますので、ご自宅等で使わなくなった鉄瓶は〈京鉄瓶〉〈南部鉄瓶〉に係わらず、一度鑑定士に見てもらうことをお勧めします。『くらや松山店』には、鉄瓶に関して専門の知識がある鑑定士が在籍しておりますので、ぜひご利用ください。

鉄瓶の工房

これからご紹介するのは、鉄瓶の評価が高い人気の工房や作家です。鉄瓶を鑑定する上で、工房や作家は非常に重要な評価ポイントとなってきます。人気の工房作のお品物や人気作家の作品は、当然のことながら高価買取も期待できるでしょう。

龍文堂

江戸末期から昭和30年代まで続いた京都の鉄瓶工房です。特に明治から大正にかけて制作された鉄瓶は高級なため、非常に人気が高く評価されています。

 

一般的に〈龍文堂〉の銘は蓋の裏に入っていますが、龍文堂本家で作られたお品物には鉄瓶本体に在銘があるので、お持ちの方は確認してみてください。

 

二代目龍文堂四方安之助の弟子には、〈亀文堂〉の波多野正平や秦蔵六などがおり、数多く名作を残しています。夏目漱石の〈吾輩は猫である〉の中にも〈龍文堂〉の名前が登場するので、ご興味のある方はお読みになってはいかがでしょうか。

亀文堂

明治から昭和初期頃まで4代に渡り続いた京鉄瓶の工房で、初代は亀文堂正平(本名波多野正平)です。弟の秦蔵六とともに二代目龍文堂四方安之助に弟子入りし、その後京都にて独立。

 

高級品だったがゆえに、流通量の少なかった亀文堂の作品は大変人気があり、高値で取引されています。売却をお考えの方は『くらや松山店』までご相談ください。

金寿堂

金寿堂は、梵鐘づくりとして創業された滋賀にある工房です。金寿堂の鉄瓶の場合、蓋の裏に銘が入っているのが特徴。金寿堂の大正時代の鉄瓶には、宮内庁に納入したほどの作品もあります。

 

作家においては、〈雨宮宗兵衛〉〈雨宮宗〉〈金森佐兵衛〉が有名です。中でも〈雨宮宗兵衛〉〈雨宮宗〉の作品は非常に高く評価されており、錆びている状態の物でも買取評価額が数十万円になることも…!

正寿堂

平成8年に重要無形文化財〈茶の湯釜〉の保持者に認定され、人間国宝となった鋳物家〈高橋敬典〉の工房です。山形出身の高橋敬典は、伝統工芸品にも指定されている山形鋳物の名工と呼ばれました。正寿堂の鉄瓶の特徴は〈箆(へら)押し技法〉です。

 

伝統と制約のある茶の湯において、奥州山形鋳物の伝統を受け継ぎつつも斬新なデザインを試みた高橋敬典の作品は、美術品としての品格を備えています。

その他

金龍堂、鳳嗚堂、光龍堂、祥雲堂、青龍堂、瑞雲堂、萬龍堂、龍虎堂、金陽堂、龍方堂、金青堂、龍雲堂、龍寿堂、紫金堂 など

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まとめ

一見錆びていて古い鉄瓶…。でも実は、有名な工房や作家が作った作品であったということも多々あるのです。反対に、豪華絢爛で状態が綺麗な鉄瓶でも、量産品でそれほど価値がないという場合も。鉄瓶に限らず、骨董品の正しい価値というものは、豊富な鑑定経験と知識を持った鑑定士でないと難しいものです。

 

『くらや松山店』では、プロの鑑定士が鉄瓶の価値をしっかりと見定めて高価買取を行っております。錆びていたり、蓋がないお品物などでも買取可能です。共箱など付属品がある場合はご一緒にお持ちください。

 

『くらや松山店』では、出張買取にも対応しております。買取をご希望されるお品物が多くあるなどで、店舗への持ち込みが困難な場合もぜひお問合せください。

 

査定・相談は無料で行っております。お客様からのご来店・お電話を、心よりお待ちしております。

 

 

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