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こんにちは。愛媛県松山市の買取専門店「くらや 松山店」のスタッフです。
本日は、日本の伝統装飾品として根強い人気を誇る「べっ甲(鼈甲)」について、歴史や特徴、面白い豆知識、高価買取のコツまでをたっぷりご紹介いたします。遺品整理やご自宅の片付けで出てきた古いかんざしや眼鏡フレーム、それ、本物のべっ甲かもしれません。
「これはもしかして価値があるの?」
「ボロボロだけど捨てるのはもったいない…」
そんなお悩みをお持ちの方にとって、役立つ一記事になることを願っております。
「べっ甲(鼈甲)」とは、ウミガメの一種であるタイマイの甲羅を加工した天然素材です。べっ甲の特徴は、まるで琥珀のような透明感のある黄金色や飴色、そして独特な斑模様にあります。
タイマイ(Hawksbill turtle)は熱帯・亜熱帯の海に生息するウミガメ。全長約70〜90cm、体重は50〜80kg。主にサンゴ礁でくらし、海綿やクラゲを食べます。甲羅の表面が薄い層状になっており、その一部が美しい模様をしていることから、古来より装飾素材として重宝されてきました。
べっ甲の加工には「熱を加えて層を圧着させる」技法が用いられます。この性質から、接着剤を使わずに素材同士が“べっとり”とくっつく様子が「べっ甲(べっこう)」という名前の語源とも言われています。
べっ甲には、模様や色合いによって大きく3種類に分類されます。
種類名 | 特徴 |
白甲(しろこう) | 乳白色に近い透明感ある美しさ。希少で高額。 |
黒甲(くろこう) | 深みのある黒色。渋さと重厚感が魅力。 |
並甲(なみこう) | べっ甲らしい琥珀色と模様。最も流通が多い。 |
中でも特に高価なのが「白甲」です。甲羅の内側近くから少量しか採れないため、ジュエリーや高級かんざしに使われています
べっ甲の使用は奈良時代から記録がありますが、本格的に日本で工芸品として普及したのは江戸時代です。
当時、海外交易の玄関口だった長崎にはオランダや中国からタイマイがもたらされ、そこから薩摩藩(現在の鹿児島県)で本格的な加工技術が発展しました。これが「薩摩べっ甲」として有名になります。
江戸時代の町人文化が花開くにつれ、べっ甲製の**かんざしや櫛(くし)**は、女性たちの間で憧れの装飾品となります。素材の希少性、美しい光沢、熟練の細工師による彫刻が施されたべっ甲は、まさに“粋”の象徴でした。
べっ甲はその希少性ゆえ、プラスチックなどの模造品も多く出回っています。
・手触りがしっとりと柔らかく、肌になじむ
・色の層に“深み”があり、独特な模様
・光を通すと模様が立体的に見える
・火で炙ると、髪の毛のような焦げ臭がする(自然素材の証)
・表面がツルツルして不自然に光る
・色の層が均一で、人工的なパターン
・火で炙るとプラスチックの焼ける臭い
・軽く、冷たい印象を受けることも
当店では経験豊富な鑑定士が丁寧に本物を見極めております。お気軽にご相談ください。
タイマイは絶滅危惧種に指定されており、1980年代以降、べっ甲の新規輸入・製造はワシントン条約(CITES)によって厳しく制限されています。そのため、市場に出回っているべっ甲製品はすべて既存在庫品または中古品です。
もう新しく作ることができないからこそ、「当時の本べっ甲」は市場価値が高まっており、近年はコレクター需要や海外での再評価も進んでいます。
べっ甲製品は、その加工のしやすさと美しさから、非常に多様な製品に姿を変えています。
種類 | 特徴 |
---|---|
かんざし・櫛 | 日本髪や着物に似合う装飾品。彫金や螺鈿があると価値◎ |
ネックレス・ピアス・イヤリング | ヨーロッパ風のデザインもあり、ヴィンテージジュエリーとして人気 |
眼鏡フレーム | 柔軟性・軽さ・肌触りの良さで「最高級フレーム」と呼ばれる |
帯留め・根付 | 和装小物として伝統工芸の粋を感じさせる逸品 |
念珠・数珠 | 法具としても珍重される。手作りのものは特に貴重 |
べっ甲製品の査定では以下の点が重要です。
ヒビ割れ、変色、欠けがない製品は高評価。特に眼鏡のフレームなどは曲がりがないことが重要です。
グラム数が多い(素材の量が多い)ほど、評価も高くなります。
彫刻が精巧であるもの、有名職人の銘があるものは希少価値が高く、コレクターに人気です。
共箱、証明書、職人名入りなどがあれば、プラス査定の対象になります。
かつて、クラシック音楽の世界ではヴァイオリンの弓の「フロッグ部分」にべっ甲が使われていました。音の響きが柔らかくなるという職人の間での評価もあり、現在でも一部のコレクターはべっ甲製のパーツを探しています。
べっ甲加工では、熱を加えて素材を柔らかくして加工しますが、熱すぎると変形、弱すぎるとくっつかないという繊細な作業。そのため、職人の“勘と経験”がものを言う世界でした。
海外でも高級素材として人気があり、特にヨーロッパでは「トータスシェル(亀の甲羅)」として高級装飾品に使われていました。アンティークマーケットでは“made of genuine tortoiseshell”と記されていれば、高値が付くことも。
先日、松山市内にお住まいの60代男性のお客様が、一本の眼鏡フレームをお持ち込みくださいました。写真のこちら――べっ甲と18金(K18)を組み合わせた、高級感漂うクラシックなメガネフレームです。
お話を伺うと、お父様が生前愛用されていたもので、今では使う機会がなくなってしまったとのこと。捨てるには惜しいけれど、このまま保管していてももったいない……と、当店へご相談くださいました。
フレームの上部とテンプル(つる)には、天然べっ甲ならではの温かみのある飴色と独特の模様が美しく残っており、鼻当てや接合部にはK18の刻印がしっかりと確認できるお品でした。
経年はしていたものの、大切に保管されていたことがわかる非常に良好な状態。べっ甲とK18という贅沢な組み合わせ、さらにはレトロなクラシックデザインも今注目のアイテムとあって、しっかりと評価させていただきました。
査定結果をご案内すると「まさかそんな値段になるとは……」と、お客様は驚きつつも納得の表情。「父が大切にしていた眼鏡を、きちんと評価してくれて嬉しい」とお話しくださいました。
近年、レトロファッションやクラシック回帰の流れもあり、こうした本べっ甲を使った眼鏡フレームが国内外のコレクターやファッション好きの間で再注目されています。
また、ワシントン条約の影響でタイマイの輸入が禁じられている今、本べっ甲製品は非常に希少。さらに、K18金具付きのものは素材価値も相まって、買取市場で高い評価を受けています。
「店舗に持って行くのが大変」
「大量にあって査定してほしい」
「遺品整理中で手が離せない」
そんなお客様のために、無料の出張買取サービスも実施中です。愛媛県内全域対応、査定のみでもOK。プライバシーも厳守いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
べっ甲は、日本の職人技が詰まった伝統工芸であり、現代においても唯一無二の素材として評価されています。使用せず眠っている品が、実は驚くような価値を持っているかもしれません。
「これ、本物かな?」
「処分しようと思っていたけど…」
そう感じたら、ぜひ一度「買取専門店 くらや 松山店」までご相談ください。お客様の大切なお品に、誠意をもって向き合い、最適なご提案をいたします。
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