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こんにちは、骨董品や美術品の「買取専門店 くらや 松山店」です。今回は、日本の陶芸史に燦然と輝く名窯「柿右衛門」についてご紹介します。香り立つような色絵の美、そして時代を超えて受け継がれてきた卓越した技。愛媛県内での出張買取や遺品整理でも、柿右衛門作品に出会う機会は少なくありません。
本記事では、柿右衛門の人物像や歴史、作品の魅力に触れながら、当店での買取経験や評価ポイントについても詳しく解説いたします。
柿右衛門(かきえもん)とは、佐賀県有田町で代々続く陶芸家の名跡です。特に「酒井田柿右衛門」の名で知られ、初代が17世紀中頃に赤絵磁器(色絵磁器)を完成させたことで、その名が世界的に広まりました。
日本における色絵磁器の先駆者であり、柿右衛門様式はヨーロッパでも人気を博し、マイセンやヘキストなど西洋磁器にも影響を与えたことは広く知られています。特に17世紀後半から18世紀にかけての「古伊万里柿右衛門様式」は、まさに日本美術の象徴ともいえる存在です。
12代目以降の柿右衛門は、戦後の日本における文化財復興や工芸の再評価とともに、重要な役割を果たしてきました。以下に12代、13代、14代それぞれの特徴をご紹介します。
・明治・大正・昭和初期を生きた柿右衛門で、近代化と伝統技術の継承の狭間で奮闘。
・古伊万里や柿右衛門様式の研究に熱心で、江戸時代の技法復元に尽力。
・特に赤絵や濁手(にごしで)磁器の再興に力を注ぎ、伝統的な文様を精緻に再現。
・「古柿右衛門」の意匠復元を目指し、色絵磁器の再生において技術的な礎を築いた。
・戦後の伝統工芸復興の基盤を作った人物であり、柿右衛門家の再興における中心人物とされています。
・昭和期における柿右衛門様式の完成者とされ、濁手技法をさらに洗練。
・1955年に「重要無形文化財保持者(人間国宝)」に認定。
・赤・緑・黄・青などの色彩を抑制しつつも豊かに調和させる、独特の色絵技法を確立。
・「静謐な美しさ」と称される気品ある色絵磁器を数多く制作。
・戦後日本の美術工芸界において極めて高く評価され、国際的にも柿右衛門の名を再び広めた存在。
・美術館収蔵品や贈答品など、現代にまで広く流通している作品が多い。
・父である十三代のもとで修業し、1971年に十四代を襲名。
・技術継承にとどまらず、現代的な感性を取り入れた表現も模索。
・伝統を重視しながらも、花鳥風月や四季折々の自然を繊細に描く構図に特徴。
・精密でありながら柔らかみを持つ作風が魅力で、女性的な優美さも兼ね備える。
・国内外で展覧会を開き、現代における柿右衛門の芸術的地位を確立。
・平成期を代表する陶芸家の一人であり、現代に生きる「伝統工芸」の象徴的存在。
・その作品は茶器、花瓶、飾皿など幅広く展開され、贈答品や収集品として高い人気を誇る。
柿右衛門様式は、1670年代以降オランダ東インド会社を通じてヨーロッパに大量に輸出されました。特にドイツやフランス、オーストリアの王侯貴族が好んで収集した記録が残されており、現存する古伊万里の中には当時のヨーロッパ輸出用に作られたものも多数存在します。
西洋のテーブル文化に合わせて作られた皿、花瓶、酒器などは、当時の日本国内では見られない形状や絵柄を採用していることがあり、今なお世界中の美術館で所蔵・展示されています。
花瓶は柿右衛門作品の中でも人気の高いアイテムです。特に牡丹や菊、紅葉など四季折々の草花を描いたものは、床の間や玄関など和の空間を彩ります。
柿右衛門の煎茶器は、茶道具の中でも特に人気です。白磁に柔らかく描かれた人物や花鳥は、茶席の中でひときわ映えます。また酒器も同様に、口当たりのよさと手に取った際の軽やかさが特徴で、日常使いの中に美術品を取り入れる喜びを感じさせてくれます。
大皿や中皿に描かれる風景や鳥獣花木の絵柄は、まさに絵画的。飾り皿としても価値が高く、買取市場でも非常に評価されています。
柿右衛門作品は、その作家や保存状態によって大きく価値が異なります。特に以下の点が評価のポイントになります。
・作家の代(十二代・十三代・十四代など)
・共箱や識箱の有無
・共布・栞など付属品の完備
・傷や修復の有無
・サイズや用途(花瓶、大皿、煎茶器など)
愛媛県松山市にお住まいのご年配のご夫婦が、くらや松山店まで店頭買取をご利用くださいました。お持ち込みいただいたのは、柿右衛門様式の21cmほどの色絵皿。共布と木箱が丁寧に保管されており、大切にされていたことが一目で伝わるお品でした。
伺えば、ご夫婦で長年骨董収集を楽しまれていたとのこと。「子どもたちも興味がなくて…」「そろそろ整理しようかと思って」と、今回がはじめての買取ご相談とのことでした。
皿には、赤絵と余白の美を生かした繊細な絵付けが施されており、まさに柿右衛門様式の代表的な構図。季節を感じさせる梅の枝と鳥のモチーフが軽やかに配置され、手に取るほどに味わい深さが感じられる逸品でした。裏面の高台や焼成の状態も良く、コンディションも上々。専門スタッフが一点ずつ丁寧に拝見し、高額査定をご提示させていただきました。
当日はこの柿右衛門の皿だけでなく、茶道具や煎茶器、掛軸などもお持ち込みいただいており、いわゆる「おまとめ買取」のご対応となりました。点数が多くても、当店ではすべて無料で査定を行っております。もちろん、「1点からでも」お持ち込みいただけますので、ご自宅に気になるお品がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
ご夫婦からは「丁寧に見てもらえて安心した」「思った以上に値段がついて驚いた」とのお声もいただき、「また整理が進んだらお願いしたい」と嬉しいご感想を頂戴しました。
また、「持ち運びが大変な品がいくつかある」とのお話もあり、当店から無料の出張買取サービスをご案内しました。愛媛県内であれば、松山市内はもちろん、今治市、新居浜市、大洲市、西条市など広く対応しております。お電話一本でご自宅まで伺い、その場で査定・現金でのお支払いいたします。
「蔵から古い花瓶が出てきた」「遺品整理で箱に入った陶磁器がある」といったご相談が増えています。柿右衛門のような高価な作品であっても、知らずに手放してしまう方も多くいらっしゃいます。柿右衛門の作品は、花瓶、茶器、皿、酒器、椀など、どれを取っても高い完成度を誇り、骨董品としての価値も非常に高いものです。
1点からのお持ち込みはもちろん、大量のお品の整理や遺品整理、空き家片付けなどもご相談可能です。当店の出張買取は、査定・出張費はすべて無料。もしご自宅に柿右衛門の作品と思われる品がございましたら、ぜひ一度「買取専門店 くらや 松山店」(イオンスタイル松山店 3階)までご相談ください。プロの目でしっかりと査定し、適正価格での買取をお約束いたします。