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こんにちは。骨董品・美術品の「買取専門 くらや 松山店」です。
今回は、日本人にとって非常に身近でありながらも、奥深い魅力を秘めた「陶磁器」についてご紹介します。日常の食卓を彩る器から、茶道具、鑑賞用の美術品に至るまで、その魅力は多岐に渡ります。
長年大切にされてきた陶磁器には、時代の趣や作家の個性が刻まれており、買取市場でも非常に人気の高いジャンルのひとつです。今回は、私たちの買取分野の中でも特にご相談の多い「陶磁器」について、基本的な知識から人気の種類、査定ポイント、そして実際の出張買取エピソードまで詳しくご紹介いたします。
「陶磁器」とは、「陶器」と「磁器」を総称した言葉です。
土を素材とし、成形して焼き固めた焼き物を総じて陶磁器と呼びます。
陶器は古代から人類の生活に欠かせない道具として使われ、紀元前のメソポタミアや中国でもすでに製造されていました。日本では縄文時代から土器が存在し、やがて技術が進化することで、釉薬を使った陶器や硬質な磁器が登場します。
中世以降は、唐津焼や備前焼、瀬戸焼、有田焼などの伝統的な技術が発展。江戸時代には伊万里焼や九谷焼が国内外で人気を博しました。
陶磁器の魅力は、一言で言えば「用と美の融合」にあります。
花瓶や茶碗、酒器など、日常生活で使用できる一方、その絵付けや形状はまるで芸術作品。見て楽しみ、使って楽しめる奥深さがあります。
陶磁器にはその制作年代の流行や作風、さらには作家の息遣いが刻まれています。焼成の温度や釉薬のかかり具合による偶然性も含め、同じものは二つとありません。
特定の作家作品や人気産地の陶磁器には高い価値がつくこともあります。保存状態がよく希少性が高ければ、数十万円〜百万円単位の査定になることも珍しくありません。
陶磁器は、さまざまな分類法で分けることができます。以下に代表的な種類を紹介します。
・主に粘土を素とし、比較的低温(1,000~1,200℃)で焼成
・水を通しやすく、素朴な風合いが特徴
・低く鈍い音
・柔らかめで割れやすい
・比較的軽い
・例:信楽焼、美濃焼、備前焼
・陶石(磁石)を素材とし、高温(1,200~1,400℃)で焼成
・硬く、白く、光沢があり、叩くと金属音がする
・吸水性はなし(吸わない)
・やや重い
・例:伊万里焼、有田焼、九谷焼
日本で初めて磁器の製造に成功した地域として知られ、初期伊万里、柿右衛門、金襴手など多様な様式が発展しました。江戸時代から海外への輸出も盛んに行われ、欧州の王侯貴族にも愛された陶磁器です。
鮮やかな色絵が特徴の九谷焼は、豪華絢爛な作風で知られています。江戸中期以降は輸出向けの作品も多く、明治期には万国博覧会などで注目を集めました。
雅な都・京都で発展した京焼は、繊細で洗練された造形と上品な絵付けが魅力。茶道具や飾り皿としても人気が高く、現代作家の作品も多く流通しています。
国内生産量トップを誇る美濃焼は、志野・織部・黄瀬戸など多彩な技法が特徴。室町から桃山時代にかけて急速に発展し、今でも多くの窯元が技術を守り続けています。
釉薬を使わず、焼き締め技法によって仕上げられる無骨で重厚な質感が特徴。茶人にも愛される。
古くから日用雑器として親しまれてきた陶器。狸の置物でも有名ですが、焼締めによる土の素朴な風合いが魅力で、近年はアート作品としても評価されています。
「これは価値があるの?」とご相談いただくことが多いのが陶磁器です。
以下のような陶磁器は、特に高評価となりやすい傾向にあります。
1. 有名作家の作品
・加藤唐九郎、藤本能道、清水卯一など人間国宝
・現代作家でも希少な個展出品作品などは高額査定対象に。
2. 古い時代のもの
・江戸時代の伊万里焼、古九谷など。
・箱付き(共箱)で保存状態が良いものは評価アップ。
3. 海外輸出用の絢爛な作品
・明治時代の金襴手九谷焼などは、欧米のコレクターに人気。
1.共箱・栞があるかどうか
2.割れやヒビ、欠けがないか
3.裏印・銘があるか(作家や窯元)
4.セットで揃っているか
5.保存状態が良好か(色褪せ、汚れ、湿気等)
先日、松山市内にお住まいのお客様より、遺品整理に伴う出張買取のご依頼をいただきました。ご実家を解体する前に、「母が生前、大切にしていた陶磁器が大量にあるので、一度見てほしい」とのご相談でした。現地に伺うと、床の間や押し入れには共箱付きの花瓶や飾皿、茶道具や酒器など、丁寧に保管された陶磁器が数十点。中には、昭和初期の九谷焼や有田焼の逸品も含まれており、保存状態も良好でした。一点一点丁寧に査定し、希少価値のある品については高額の評価をご提示。結果的に、まとめて多数の品を高価買取させていただきました。お客様からは「専門家に見てもらえて安心した」とのお言葉をいただき、私たちも誠実な対応を心がけて良かったと実感しました。
「買取専門店 くらや 松山店」では、陶磁器の出張買取に力を入れております。
遺品整理や断捨離、家屋の解体前など、陶磁器や器類が大量に出てくる場面では、専門業者による査定・整理がおすすめです。
「使っていない食器棚に茶碗や湯呑がぎっしりある」
「祖父母が趣味で集めていた焼き物をそろそろ整理したい」
「空き家になった実家の取り壊しを前に、家の中を片付けている」
そんなお悩みに対して、当店の**出張買取サービス(査定・出張費無料)**をご活用ください。
【対応可能なケース】
・箱入りの有田焼、九谷焼、美濃焼のセット
・名工の作品や人間国宝の陶芸品
・古伊万里や伊万里焼の皿、鉢、湯呑み
・茶道具の一括整理
・食器類の大量処分(数十点〜数百点まで)
陶磁器は一見して価値が分かりにくいものも多く、「捨ててしまう前に査定してもらって良かった」という声を多くいただきます。
また、家の解体予定日が迫っている場合でも、迅速に出張対応いたします。搬出・仕分け・梱包までサポートいたしますので、ご安心ください。
松山市を中心に、愛媛県内全域(今治市・西条市・大洲市・宇和島市など)で対応可能です。
陶磁器は、ただの器ではありません。そこには文化と歴史、作り手の魂が宿っています。
ご自宅にある焼き物が、もしかしたら驚くような価値を秘めているかもしれません。
骨董品・美術品に精通した査定士が対応する「買取専門店 くらや 松山店」では、
陶磁器の魅力をしっかりと見極め、次の世代へと橋渡しいたします。
お気軽にご相談・ご依頼ください。