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版画について

木版画

彫板、板木、版木、摺り形木、形木などと呼ばれる原版に彫刻刀などで溝を彫り凹凸を付け作られた凸版画のことをいいます。

現在知られている最古の木版画は、唐時代(866年)に作られた金剛般若経の扉絵(中国敦煌)といわれています。

世界最古の木版による印刷物として知られているのが法隆寺に保存されている「百万塔陀羅尼文」です。

伝統木版画

江戸時代、東洲斎写楽などの版画のほとんどが木版画

安定した画を維持する為印刷数を制限し、シリアル番号などを付けて版数を管理する方法。竹中木版竹笹堂(京都)、アダチ伝統木版画保存財団(東京)が浮世絵の復刻版を制作されています。

創作版画

自ら絵を描く、彫る、摺る自刻版画

明治40年山本鼎、森田恒友、石井柏亭が刀画と称していた自刻版画「方寸」を発刊し創作版画運動を始めました。

他に創作版画を作成した人物…石井鶴三、戸張孤雁、織田一磨、石井柏亭の弟

石井鶴三…「版画」という名称を使った先駆けの一人。明治38年「平旦」(山本鼎との同人誌)に「虎」を発表。

織田一磨…明治40年、第1回文展に入選、「方寸」で創作版画活動に加わる。大正7年日本創作版画協会設立に関わる。

石井柏亭…中島青果堂(版元)より「東京十二景」を版行

戸張孤雁、織田一磨、石井柏亭は彫師、絵師、摺師の分業による新版画作品も発表している。

新版画

明治30年前後から昭和初期に江戸時代の浮世絵版画と同じ技法をいかし、版元を中心に彫師、絵師、摺師の分業によって作られ描かれた木版画のことをいいます。

大正版画ともいわれます。

歴史

江戸時代全盛だった浮世絵版画も日清戦争(明治27年)後に力を失い、明治30~40年代頃に衰退していきました。

しかし、大正初期、渡邊庄三郎(浮世絵商)が版元になり伝統的な浮世絵版画の良さをいかし、彫師、絵師、摺師の分業による新しい版画作り(大正新版画運動)を目指し、その考えに賛同したチャールズ・ウィリアム・バートレット、フリッツ・カペラリ、エリザベス・キースらなど外国作家の作品を翻刻しました。

大正時代、渡辺版画店(明治39年創業)が高橋弘明に輸出用の木版画(山水人物画)を要請し販売し出した。

大正4年、橋口五葉が下絵を制作し、大正5年、渡辺版画店より新版画の1作目「浴場の女」を版行

大正5年、伊東深水は渡辺版画店より第1作「対鏡」を版行、名取春仙が「鴈治郎の紙屋治兵衛」(役者絵)を版行

大正7年、川瀬巴水が第1作目「塩原畑下り」「塩原おかね路」(風景版画)を版行

大正7年、中島青果堂(版元)が美人版画「郭の春秋」を刊行

大正10年、吉田博が渡辺版画店より第1作目「牧場の午後」を版行。

大正14年、私家版にて作成開始。

橋口五葉も私家版による作品を制作している。

私家版…自らの工房を開設し全てを監修し作品を発表すること。

大正14年、佐藤章太郎(版元)より三木翠山、吉川観方が美人画を版行

主な作家

橋口五葉、伊東深水(美人版画)、川瀬巴水(風景版画)、名取春仙(役者絵版画)、

山村耕花(役者絵版画)、吉田博(風景、山岳画家)、高橋松亭など

新版画の制作に携わった人物

土屋光逸、高橋弘明、伊藤孝之、石渡江逸、笠松紫浪、井出岳水、楢崎栄昭、小原祥邨、北川一雄、古屋台軒など

成田守兼(美人画)、華泉(美人画)、渡辺幾春(美人画)

小林清親…豊原国周、月岡芳年と共に明治浮世絵界の三傑のひとりに数えられる。

「明治の広重」「最後の浮世絵師」といわれた。

版元

土井版画店…大正時代開業。川瀬巴水、土屋光逸、ノエル・ヌエットの作品を版行。

渡辺版画店、アダチ版画研究所、高見沢木版社、日本版画研究所、馬場静山堂、

芸艸堂(京都)、京都版画院(京都)、まつ九(京都)

西宮書院(兵庫)…山川秀峰、和田三造、大野麦風などの作家作品を発表している

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